世界初? 謎の「幽霊」ガンマ線バーストが発見される 

space 2018/10/08

Point
・ガンマ線バーストは、ガンマ線以外のX線や可視光などの「残光」を伴うもの
・ガンマ線を伴わない幽霊のような残光現象が初めて発見された
・マグネターという星から短い電波が発生していた可能性

宇宙のあらゆる場所で発生しているガンマ線バーストは、1秒で太陽の一生分ものエネルギーを放つ、宇宙で最も激しい爆発現象です。中性子星の衝突や、超新星爆発によるものとされていますが、いまだ謎が多く、天文学界の中でも最大級の謎といわれています。

カリフォルニア大学バークレー校の天文学者ケーシー・ロウ氏らによって、2億8400万光年先の矮小銀河にある星が、ガンマ線を伴わない残光を発していることを発見しました。この幽霊のような残光は、ガンマ線バーストを理解するための重要な鍵となる可能性があります。研究はAstrophysical Journal Lettersで発表予定で、現在はarXivで読むことができます。

Discovery of the Luminous, Decades-Long, Extragalactic Radio Transient FIRST J141918.9+394036
https://arxiv.org/abs/1808.08964

ガンマ線バーストでは、ガンマ線が数秒から数時間、閃光のように放出され、その後数日間、X線や可視光での残光がみられます。

しかし、ガンマ線は大気で吸収されて地上に届かないため、直接の詳細な観測は困難です。したがって天文学者は、バーストに伴って発せられる残光を観測して、その情報を得ています。

今回の電波放射「J1419 + 3940」が初めて観測されたのは1990年代です。その後約25年間かけてゆっくりと光が失われ、2017年には超大型干渉電波望遠鏡群でも姿を確認できなくなっています。

本来ならこの電波放射では、1992年、または1993年当時に、超新星爆発などによるガンマ線の放射が観測できるはずです。しかし調査の結果、有力なガンマ線の候補は検出できず、観測されたのは「残光のみ」でした。

Credit:Law et al., Bill Saxton, NRAO/AUI/NSF/ ゆっくりと光を失うJ1419 + 3940

考えられるシナリオは2つです。ガンマ線バーストの理論に何か誤りがあるか、単純に高性能な望遠鏡でも観測できなかったかですが、もし後者であれば、ガンマ線が発生しない「幽霊」ガンマ線バーストを観測した初めての例となります。

ガンマ線バーストには、2秒以上持続する「ロングバースト」と、それ以下の「ショートバースト」が存在します。最近の研究から、ショートバーストは中性子星の合体によるもの、そしてロングバーストは大質量星の「極超新星爆発」が原因ということが明らかになっています。しかしショートバーストは平均持続時間が0.3秒と非常に短く、捕らえることは非常に困難です。

ロウ氏は、この原因には「マグネター」という中性子星が関係しているのではないかと考えています。マグネターは中性子星の中でも自転速度が速く、非常に強い磁場を持つ星で、ショートバーストの起源の一つともいわれている星です。

「中性子星の合体」と「極超新星爆発」のどちらが先立つかに関わらず、ロウ氏は、このマグネターが「幽霊のような」一瞬の電波を発生させたため、ガンマ線が観測できなかったのではないかと推測しています。

 

「幽霊粒子」と呼ばれる銀河系外ニュートリノの発生源がついに解明される

 

via: sciencealert, phys, 他 / translated & text by Nazology Staff

 

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