衛星エウロパの探査に立ちはだかる、埋め尽くされた氷の柱「ペニテンテ」

space 2018/10/09
ESO
Point
・地表の氷の下に巨大な海を持つエウロパにロボット着陸船を送り込む計画が進行している
・エウロパの赤道付近には、「ペニテンテ」と呼ばれる氷の柱が敷き詰められている可能性がある
・エウロパにロボットを着陸させるのは困難であることが予想される

木星の衛星エウロパの地下には巨大な海が広がっており、地球外生命体の存在が期待されています。

科学者たちはこの凍った大地に探査機を送りたいと考えており、アメリカ議会も巨額の支援を与えています。

しかし、着陸船ミッションは困難なものになるかもしれません。なぜなら、エウロパの氷で覆われた表面は、断層や隆起で引き裂かれた「ペニテンテ」という氷筍が存在している可能性が探測機によって示されたからです。

“Nature Geoscience”で発表された新しい研究で、エウロパに着陸するロボット着陸船は、トラックトレーラー並の長さを持つ氷筍の広大な氷原に出くわす可能性が記されています。

このような氷筍は、地球上でも存在します。熱帯地帯、アンデス山脈などの凍った山頂です。スペインの聖週間で行進するとんがり帽子に似ていることから、現地人には「ペニテンテ(悔悟者)」と呼ばれています。この帽子自体はカピロテという名前ですが、これを「かぶっている人」のことをペニテンテというのです。彼らが行列をつくり歩く姿は、本当に白い氷筍が連なっているようにも見えます。

Credit: Frank Kovalchek / 聖週間に「カピロテ」をかぶって行進する人々

なぜペニテンテはこのような形になるのでしょうか。ペニテンテの氷は太陽光によって削られますが、厳寒の地なので溶けるわけではありません。代わりに太陽光のパターンが固定されることで、氷は直接水蒸気に変わります。表面のちょっとした違いが拡大されることで、小さな丘と影のある空洞となります。そして黒い空洞は周りの明るい頂点よりも多くの日光を吸収するので、昇華によってさらに空洞が深くなるというわけです。

ペニテンテはすでに冥王星でも確認されています。隕石の衝突や電荷を持った粒子の襲来といった、エウロパにおける他の競合する侵食過程を計算することで、エウロパでの氷の昇華が赤道付近では優勢であり、高さ15メートル、互いの距離が7メートルのペニテンテが形成されることが示唆されています。レーダーによる観測で、エウロパの赤道付近ではエネルギーの減退が確認されますが、ペニテンテの形成によって反射がかき消されるのだと説明できます。

しかし、実際にエウロパの赤道付近が着陸に適さないかどうかは、2020年代のエウロパ・クリッパーによる観測によってはっきりするでしょう。

 

ボイジャー2号がついに太陽系の果て「星間空間」との境に接近!

 

via: Science/ translated & text by SENPAI

 

SHARE

TAG

spaceの関連記事

RELATED ARTICLE