銀河系外からの「高速電波バースト(FRB)」が多数発見される

space 2018/10/11
Credit: Alex Chemey/CSIRO
Point
・オーストラリアの電波天文台による広域観測によって、一年間で20個もの高速電波バーストを発見
・電波の波形を解析することで、FRBが私たちの銀河系の外、数十億光年先からきていることがわかる
・FRBを宇宙の灯台として調べることで、星間に失われた通常物質を特定できる可能性

想像もつかないほど、遠くから来ていました。

オーストラリアの電波望遠鏡群によって、発信源が謎とされてきた高速電波バースト(FRB)が多数見つかり、さらにその源が数十億光年の距離から来ていることがわかりました。研究はスウィンバーン工科大学の天文学者ライアン・シャノンらによって行われ、10月10日に“Nature”で発表されています。

The dispersion–brightness relation for fast radio bursts from a wide-field survey
https://www.nature.com/articles/s41586-018-0588-y

FRBが初めて観測されたのは2007年ですが、それ以降は30個ほどしか観測されていません。最近の観測例については、本サイトでも紹介しました。

FRBは強力な電波の爆発的な放射で、その持続時間はミリ秒単位しか続きません。そのため、現在の観測装置では見つけることも、その源を特定することも非常に困難です。電波なので、もちろん肉眼でも見ることはできません。その発信源は謎が多く、巨大な超新星から中性子星連星の高速回転、はたまた、エイリアンの宇宙船のスラスターといった説まであります。パルサーがその源であるという説も以前紹介しました。

今回の新たな研究で使われたのは、36個の強力な電波望遠鏡群からなる“Australian Square Kilometer Array Pathfinder(ASKAP)”という電波天文施設です。複数の電波望遠鏡をリンクさせるという特徴を活かして、夜空の240平方度の範囲を一度に観測することが出来ます。その広さはなんと、満月の千倍もの広さに匹敵します。研究者はこの電波天文台を使い、一年間に20個ものFRBを観測を可能にしました。

Credit: OzGrav, Swinburne University of Technology

では、観測されたFRBはどこから飛んできたのでしょうか?

研究者が注目したのは、電波に含まれる波形の成分が分離し、多数の波長が重なっていることでした。電波が星間に広がる塵やガスの雲を通過すると、遅れや波長の伸長が起こります。そして発信源が遠くなればなるほど、雲を通過する頻度は増えるので、波長の乱れが増えるため、そこから発信源との距離をある程度知ることができるのです。その結果、FRBが私たちの銀河や周辺銀河の外側、おそらくは数十億光年先から飛んできていることがわかりました。

また、逆にFRBを宇宙の灯台として利用することもできます。宇宙の通常物質「バリオン」の3分の1は、星間の雲のどこかに潜んでいることがわかっています。どのようにFRBの電波がこれらの通常物質の雲を通過するかを調べることで、その存在を明らかにできるのです。

 

FRBがエイリアンの存在を示すのかは結局今回も不明のままでしたが、天の川銀河の外から来ていることはわかりました。さらには、失われた通常物質のヒントをFRBが与えてくれることも示されたわけです。FRBがもたらすさらなる発見に期待が膨らみます。

 

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via: Live Science/ translated & text by SENPAI

 

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