衛星の衛星「サブムーン」の存在を示唆する研究 名前の候補は「月月」?

space 2018/10/11
Credit: Kevin McGill
Point
・太陽系の衛星にはその周りを回る「サブムーン」を持つものは存在しない
・潮汐力の影響などを計算した結果、惑星と衛星間の距離や衛星とサブムーンの大きさ次第ではサブムーンを持ちうることがわかる
・はじめての系外衛星候補Kepler 1625b i は十分大きいためサブムーンを持つ可能性がある

太陽の周りを地球が回り、地球の周りを月が回るなら、月の周りを回る月「サブムーン」があってもよいのでは?

天文学者ジュナ・コルメイアー氏の息子はある日、「月が月を持つことはないの?」と尋ねたと言います。博士は答えを探し、月が月を持つ条件を探り出しました。そして、最近発表された「系外衛星」が衛星としてはとても大きかったことで重要性が増したと考え、その論文をプレプリントサーバである“arXiv”で発表しています。

太陽系の惑星の多くは衛星を持っていることがわかっています。現在確認されている数は197個。しかし、そのいずれも衛星の衛星、サブムーンを持っていません。arXivの論文によると、その鍵となるのは潮汐散逸です。サブムーンが小さすぎたり、惑星と衛星の距離が近すぎると、潮汐力でサブムーンが崩壊したり、衛星や惑星に落ちたり逆に軌道外へ飛ばされたりします。

大きさの条件は、衛星の大きさが1000kmレベルで、サブムーンの大きさが11km。この条件を満たす衛星は、土星の月であるタイタンとイアペトゥス、木星のカリストそして地球の月です。そのため、これらの衛星はかつてサブムーンを持っていた可能性があります。ちなみに最近発見された系外衛星候補のKepler 1625b iは海王星ほどの大きさがあるので、原理的にはサブムーンのホスト衛星となりえますが、軌道の傾きが大きいので力学的に安定しないかもしれません。

現在太陽系はサブムーンを持ちませんが、海王星よりも外縁には、衛星の定義に疑問を投げかける天体も存在しています。例えば、カロンは冥王星の衛星とされていますが、厳密には冥王星の周囲を周っていません。この2つの天体はそれらの中間にある点を周っているのです。また、レンポは、三重小惑星としてしられており、2つの小惑星ともっと小さな衛星とからなっています。

ただし、この研究は未だ未完成であるということもコルメイアー氏は認めていますし、彼女の息子も納得していないでしょう。系外衛星の発見でさえ、つい最近その候補が見つかったに過ぎません。しかし観測機器の精度があがり、系外衛星がたくさん見つかるようになると、その中にはサブムーンを持つものがあるかもしれません。

 

ちなみにこの「衛星の衛星」の名前、すでに有力候補があがっているそうで、その名も“moonmoon”(月月)とのこと。しかしさすがにダサいというか微妙というか…と感じた海外の作家などが「名称つけたくてずっと待ってる詩人が17人はいる」と抗議?をしているようです。ユニークではわかりやすくはありますが、確かにちょっと…? 今後の展開に注目しましょう。

 

世界初の「太陽系外衛星の証拠」を発見

 

via: Gizmodo/ translated & text by SENPAI

 

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