・人間が顔をハッキリと思い出せるのは平均「5,000人」であることが分かる
・実験参加者は制限時間「1時間」で、顔を思い出せる限りの「身近な人」や「有名人」を挙げた
・参加者のスコアには大きな幅があり、人によって顔を覚えるのが得意な人もいれば苦手な人もいることが分かった
私たちは人生の中で多くの「出会い」を果たしますが、そのうち何人の「顔」を覚えていられるのでしょうか。
そんな疑問を持った研究者たちが、史上初めて私たちが覚えておける「顔」の平均値を割り出しました。彼らによればその数字は「5,000」。つまり私たちが覚えている人の顔は、およそ「5,000人」に限られるということです。
How many faces do people know?
http://rspb.royalsocietypublishing.org/content/285/1888/20181319
ヨーク大学の研究者らが行なったこの研究。ふつう人間は100人前後の小さなコミュニティに所属していますが、この結果は、私たちにはその数をはるかに上回る、数千もの顔を覚えておける能力があることを示しています。
25人の大学院生が参加したこの実験において、彼らは制限時間「1時間」の間に「はっきりと顔が思い出せる人」を書き出していきました。まず参加者が挙げたのは「身近」な人物。そこには、たとえば「学校の用務員さん」などの「名前」が分からない人も含まれます。
次に参加者が挙げたのは、俳優・政治家などの「有名人」です。参加者には数千もの有名人の写真が提示され、本当にその有名人の顔を覚えているのかを確認するために、一人の有名人につき「2枚」の写真を挙げることが要求されました。
実験の結果、彼らが1時間のうちに顔を思い出すことができた「身近」な人物は平均で362名、「有名人」に関しては290名であることが判明しました。そして、研究者たちがその数字を基に「1時間」といった時間制限を取り払って推論した結果、参加者が実際に「顔」を覚えているのは、最低でおよそ「1000人」、最高ではおよそ「10,000人」とされ、その平均は「5,000人」といった数字が導き出されました。
平均の値はさておき、最低の数字「1,000」と最高の数字「10,000」の間に大きな開きがあるのは興味深いことです。これにより、人の顔を覚えることに得意・不得意があることが分かります。また、今回の参加者の平均年齢は「24歳」であり、実験の結果が年齢によってどのように変化していくのかについても面白い事実が隠されていそうです。
年齢を重ねるほど、多くの「出会い」と「別れ」を繰り返す人生。あなたが顔をハッキリと思い出せる人物は何人ですか?