故ホーキング博士が「スーパーヒューマンの誕生」を予言していた

biology 2018/10/15
Credit: Joe Giddens/PA
Point
・故ホーキング博士が、自身のエッセイの中で将来遺伝子が改良された「スーパーヒューマン」が誕生することを予言
・スーパーヒューマンになれる富裕層と、そうではない人々の格差が広がり続けることが懸念される
・すでに革新的な遺伝子操作技術 「Crispr-Cas9」が6年前に開発されている

今年3月に他界した偉大な物理学者、スティーブン・ホーキング博士のエッセイ集 “Brief Answers to the Big Questions” が、今月16日より発売となります。

その中でホーキング博士は、裕福な人々が、自分や自分の子どもに対して遺伝子操作を行うことで、今後「スーパーヒューマン」が誕生する可能性を示唆しており、議論を呼んでいます。そしてスーパーヒューマンの誕生はそれ以外の人類の存在を脅かすものであり、非常に危険だとのこと。

「今世紀中に、人類は知性や本能を書き換える方法を発見すると確信しています」と語るホーキング博士。さらに彼は、「おそらく、人間の遺伝子操作に反対する法が制定されます。しかし、中には人間の『記憶』や『病気への耐性』、そして『寿命』といった領域への誘惑に勝てない人もいるでしょう」と予言しています。

そのスーパーヒューマンは、遺伝子操作が施されることで『記憶力』や『病気への耐性』が向上、そして『寿命』をも飛躍的に延ばす可能性があります。遺伝学の分野におけるブレークスルーは、人々にとって自分や子孫の「改良」にも直結しているため、とても魅力的です。

しかしホーキング博士は、そのようなスーパーヒューマンの登場は、スーパーヒューマンに「なることができない」人々にとって大きな問題であり、重大な政治問題に発展することを危惧しています。博士は、そのようなスーパーヒューマンとの競争力を持たない人々が「死に絶えていく」か「重要性を失う」と語ります。そして、改良され続ける「セルフデザインが可能」な種が支配する時代が来るというのです。

博士はさらに、6年前に開発された「Crispr-Cas9」といった遺伝子改変技術について触れており、これによりすでに有害な遺伝子を修正したり、新たな遺伝子を追加することが可能になっていることを述べています。

 

本当にそのような「経済的な格差」が「遺伝子の格差」に直結するような恐ろしい時代がやってくるのでしょうか。先日もメス同士・オス同士のマウスの子どもが生まれたニュースを紹介しましたが、このような多くの倫理的な課題を含む遺伝子操作の領域は、今後も論争が繰り広げられていきそうです。

 

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via: theguardian / translated & text by なかしー

 

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