AIが持つ「3つの危険」について考える

artificial-ntelligence 2018/10/21
Credit: REUTERS/Valentyn Ogirenko

現状のAIの問題点とは、何なのでしょうか?

AI(人工知能)の開発が急ピッチで行われる中、その利用に関する国際ルールの制定が早急に求められています。素晴らしい可能性を秘めたAIには強大な力があり、その力の使い方によっては世界的な大惨事が起こりかねないのです。

人々がこの革命のコントロールを失ってしまわないか、その不安は高まり続けています。ここでは、その大きな懸念について、代表的な「真実と嘘」「人権」「AI開発競争」の3つの視点で紹介します。

AIと「真実」

「ディープフェイク」の例から分かるように、洗練されたAIのプログラムにおいては、オリジナルと見分けがつかない音声やイメージ、動画までをも作り出すことができます。ディープラーニングのアルゴリズムは、驚くべき正確さで人の唇の動きや表情を読み取ることができるのです。

この技術がひとたび一般に広まってしまえば、様々な場面において悪用されることは想像に難くありません。選挙の前日に対立候補者の醜態をさらしたり、ありもしないエピデミックやサイバーテロが流布される可能性もあります。

そのような架空の「アクター」たちによる影響は計り知れません。「真実」や「信頼」がAIによって侵食され、人々は何を信じていいのか分からなくなってしまいます。そうなってしまえば、国際的な統治システムが力を失っていくでしょう。

AIと「人権」

世界中のAIシステムは、都市の交通パターンや金融市場、消費者の傾向、そして個人のゲノム情報に至るまで、ありとあらゆる「膨大なデータ」を意味づけすることで、世界の動向を予測するようにプログラムされています。

AIはそのような能力を駆使して、私たちの行動や態度を生物学的なデータと結びつけ、様々なものに活用します。アメリカにおいては、すでに法廷の「証言ビデオ」において、証言者の「後悔」や「自責の念」を測定するために用いられています。そしてこの技術は、近いうちに求職者の適性を見極めるために「就職面接」の場面で活用されるようになるでしょう。

しかし、遊んだ子どもの情報を収集できる人形「My Friend Cayla」が「スパイ人形」であるとして、ドイツ国内で販売禁止になった例からも分かるように、AIには「人権」や「安全保障」の問題が内包されており、この点についての明確な国際ルールが必要とされるでしょう。

AIと「競争」

上で述べたように、AIはあらゆる分野において活躍する可能性を秘めており、その影響力は計り知れません。とはいえ、AIが実用化され始めたのはごく最近のことであり、先進国は現在、その開発・利用に関する競争を激化させています。

テクノロジー大国同士の熾烈な「サイバー・レース」がこれからも加熱していくでしょう。しかしながら、AIを制することは、経済・医療の発展や、国際的な安全保障の優位性が保てることを意味しており、勝利国がAIによって他国をコントロールする「サイバー植民地」といった形態だって生まれかねません。

 

このように、様々な可能性と問題を抱えているAIですが、世界は政治的にも、法的にも、倫理的にもそれを迎える準備ができているとは言えません。インターネットの登場により国境の意義が薄れていく中、各国はその足並みを揃えることができるのでしょうか。

 

「AIが人に恋することはあるの?」子どものSFでロマンチックな質問が心をえぐる「夏休み子ども科学電話相談」

 

via: weforum / translated & text by なかしー

 

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