君の持ってる天体望遠鏡で天体物理学者になろう

space 2018/01/16

Grand Canyon National Park: 23 Annual Star Party 2013 - 0087

天体望遠鏡を使うと、宇宙の美しさがあらわになります。月のクレーターや土星の輪、オリオン星雲の星間ガスなどの美しさは必見です。
しかし、天体望遠鏡はただ見て楽しむだけの道具ではありません。それは科学機器でもあるのです

プレゼントとしてもらったその天体望遠鏡、イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)が使った、どの天体望遠鏡よりも優れていることでしょう。現代のカメラを備えた小さな天体望遠鏡は、1世紀前のプロ仕様の天体望遠鏡よりもずっと有能です。

Image from page 429 of "Galileo, his life and work" (1903)

天体望遠鏡を使って天体物理学の実際を見ることができます。例えば、太陽の周りを惑星が巡っている様や、星々が異なった色をしていること、そして遠くの恒星の軌道を回っている惑星さえも検出できるのです。

接眼レンズを通して

天体望遠鏡の接眼レンズを通して見てみましょう。すると、初期の天体物理学を追体験できますよ。

ガリレオは、ほんの数センチの大きさしかないレンズ付きの天体望遠鏡しか持っていませんでした。それでも、月の地図を作り、土星の輪を見、木星の4つの大きな衛星でありガリレオ衛星と呼ばれる、イオ、エウロパ、ガニメデそしてカリストを発見しました。

ガリレオは地球を含む惑星が太陽の周りを回っているという説を提唱したことで、迫害されもしました。当時は、地球が宇宙の中心であるという説が一般的であり信じられていたのです。

金星の満ち欠けの観察は、地球や他の惑星が太陽の周りを回っていることを示す、いくつかある証拠の内でもっとも説得力のあるものです。

ガリレオが信じたように、もし惑星が太陽の周りを回っているなら、太陽は私たちと金星の間に割り込むことがあるはずです。そのとき、私たちは金星がほぼ満ちた形でみえます。一方、金星がわたしたちと太陽の間にある間は、より地球に近いため、大きな三日月型に見えます

金星は太陽から離れすぎることはありません。実際2018年の1月には太陽光にかき消されて見えません。そして、日の出や日没時にしか見えません。金星の満ち欠けは月のそれに似ています。いづれも小さな天体望遠鏡で観察できます。

金星や他の惑星、恒星、星座や銀河の見つけるには多くの方法がありますSky and Telescopeというサイトや、スマホやiPhoneで使えるアプリ、無料で使えるStellariumというソフトウェアなどです。

この中のどれかを使って金星を見つけましょう。そして、ガリレオが4世紀前にやったように、天体望遠鏡を使って、惑星の満ち欠けを見てみましょう。

barred spiral beauty.

恒星の一生

20世紀初頭、恒星の一生を理解することは、天体物理学者にとって最も頭を悩ませる問題でした。この問題を解く最初の取っ掛かりの一つは、星々が異なった色をしているということです。これは星たちの温度が異なっているということを示しています。

天体望遠鏡を使わなくても、オリオン座の中に、赤い星であるベテルギウス青い星であるリゲルを見ることができます。ベテルギウスの表面温度は3,000℃で、リゲルは12,000℃です。

なんで星によって温度が異なるのでしょうか。星の色とともに輝度を測ることで、重要なヒントが得られます。プレアデスのような星団を見てみましょう。すると、いくつかの例外もありますが、最も明る星々は青いことがわかります

青い星は、最も明るく最も重たい傾向にあります。その高い温度は、水素からヘリウムへの核融合が速い速度で行われていることが原因です。青い星の中には、太陽の100倍も明るいものがあります。

青い星はせいぜい数百万年しか寿命がありません。というのも、燃料である水素を急速に消費してしまうからです。それに比べて、鈍い赤色の星々は数百億年も生きると考えられています

例外の話をしましょう。ベテルギウスのようにとても明るい赤い星の話です。星の中にはコア内の水素を使い果たしてしまったものがあります。すると代わりに、殻で水素の核融合が起こったり、コアでヘリウムの核融合が起こったり、あるいはその両方が起こります。

こういった星は巨大になることがありますが、巨大になってもその表面温度は比較的低くなります。こういった赤色巨星はまた、星の死に近づいてもいるのです。

まだ見ぬ新世界。


Photo on Visual Hunt

ここまでは、天体望遠鏡を使ってシンプルに星々や惑星の観察をしました。しかし、いくらかの装置を付け加えることで、天体望遠鏡を使って遠くの恒星系の惑星を見つけ出す事ができます。

そのためには性能の良いデジタルカメラ数時間星を追跡できる赤道儀、そしてコンピューター用のフリーソフトが必要です。

太陽以外の恒星に軌道を持つ惑星が最初に発見されたのは、1990年台です。
それ以来数千もの新しい世界が見つかっています。こういった惑星を持つ恒星の中には、裸眼で見ることのできる100分の1の暗さの物もあります。こういった星も、小さな天体望遠鏡で簡単に見ることができます。

でも、惑星も検出できるのでしょうか?できます。
こういった惑星は、予想できる回数私たちとその恒星の間を通過します。それにより、恒星の明るさは1%程度暗くなるのです。こういった明るさの変化は裸眼では見えません。しかし、デジタルに記録することはできるのです。

惑星を持つ恒星とその近くにある恒星を一緒にデジタルデータとして記録できたら、コンピュータープログラムを使ってそれを解析できます。
プログラムはOSCAARなどを使います。このプログラムを使うと、その恒星が近くの恒星に比べてどれだけ暗くなったのかを測れます。それにより、遠く離れたその惑星が恒星の前を通過したことを知ることができるのです。

 

via: The Conversation / translated & text by nazology staff

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