人間の尿から「レンガ」を作ることに初成功 さらに副産物として有効資源を生み出す

technology 2018/10/26
Credit: Robyn Walker/University of Cape Town
Point
・特殊な方法で集められた人間の尿を砂とバクテリアに混ぜ込み「バイオレンガ」を作ることに成功
・微生物が生み出すウレアーゼが、尿素を分解することで、最終的に炭酸カルシウムができ、レンガを固める
・廃物を利用し窯を必要としない上、肥料に必須な物質を副産物として生み出すなど環境へのメリットが多い

汚くないし臭いもしない「おしっこレンガ」が登場です。

南アフリカの大学院生が、世界で初めて人間の尿を使ってレンガを作ることに成功しました。ケープタウン大学工学部の特殊な男性用便器から尿が集められ、その集めた尿を微生物と砂に混ぜ込んで固形化させたのです。

このバイオレンガは室温で型にはめることで作られるため、高温の窯を必要としません。さらに、肥料に必須の窒素やカリウムを副産物として生み出します。資源の有効活用というだけでなく、捨てるだけだった廃棄物から複数の有用な資源が生み出せるのです。

尿素を使ってバイオレンガを育てるというアイディア自体は以前からあり、合成された尿素を使った試験がアメリカで行われています。しかし今回、修士課程の学生スザンヌ・ランバート氏が実際の人間の尿を使って初めてそれを成功させました。

バイオレンガ形成には、自然界で普通に行われる微生物炭酸塩沈殿と呼ばれる反応を利用しています。この反応は、貝が殻を形成する際に利用しているものと同じものです。まず、ウレアーゼを合成するバクテリアの住み着いた砂に、集めた尿を混ぜ込みます。ウレアーゼは尿素を分解する効果を持っており、反応の最終産物として、砂を固めるセメントのような機能を持つ炭酸カルシウムが生み出されるのです。

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通常のレンガを形成するには、窯で1400℃にまで熱する必要があり、多くの二酸化炭素が排出されますが、バイオレンガでは熱する必要が全くありません。レンガを固くしたい場合は、反応時間を伸ばせばいいだけです。

原料の尿は、肥料を生成できる特別な男性用便器から得られた、固形の肥料にならずに残った液体が使われています。排水に含まれる尿は、貴重な資源として考えることができるかもしれません。生活排水に含まれる尿は1%以下ですが、排水全体の窒素の80%、リンの56%、カリウムの63%は尿に含まれています。しかし現在は、含まれるリンをリン酸カルシウムとして肥料に使うという方法でしか使用されていません。

 

尿で作ったレンガと聞くと拒絶反応が出そうですが、形成過程で尿素は分解されます。しかも、環境に優しいメリットが目白押しで、これからのサステナブル建築の建材として有望な選択肢となる可能性があるでしょう。

 

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via:The Guardian/ translated & text by SENPAI

 

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