ロブスターも「痛みを感じる」から。スイスが生きたロブスターの煮沸を禁止

science_technology 2018/01/18

Credit: Pixabay

ロブスターは、世界中の人に人気がありますが、今、「ロブスターを熱湯で調理するということは、非人道的」という意見がヨーロッパで強くなっているようです。

今回スイスでは、「意識がある状態の甲殻類を熱湯に入れて調理することを禁止する」という新しい法律が制定されました。

この動きは、「ロブスターは高度な神経系を持っており、痛みを感じる」という研究結果を受けています。

スイスの新しい法律

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2018年3月より、ロブスターを調理する際には、まずは殺す前に叩いて気絶させるか、瞬時に殺すことが義務付けられました。そして、ロブスターの輸送時には手厚い保護をしなければなりません。

スイスの新しい法律には、「ロブスターを含む生きている甲殻類は、もはや水や氷に入れて運送されることはないかもしれません。水中の生物は、それらが生活している場にいるべきだ」と明記されています。

この新しい法令は、イタリア政府の新しい法律「レストランの厨房で、ロブスターを氷の中で保存することを禁ずる」を意識してのことなのでしょう。

スイス政府の決定は、ベルファストのクィーンズ大学で、生態学、進化論、行動学、環境経済学を教えている名誉教授のロバート・エルウッドに称賛されました。

エルウッド教授の管理下のいくつかの研究では、甲殻類は敏感なので熱湯で茹でるのは非人道的であると言及しています。

「私達が知りうるデータでは、動物は痛みを感じる可能性が高い」とエルウッド教授は言います。
「私たちは、鳥類や哺乳類を保護していますが、ロブスターやカニ等の甲殻類に関してはほとんど保護をしていません。そこで、これらにどんな違いがあるのかという疑問が湧いてきました。」

最初の一歩

エルウッド博士の研究では、甲殻類は痛みを感じた時に、生死に関する重大な決断をすると示唆しています。実験では、ロブスターに強い電気ショックを与えた場合、自分の殻から即座に逃げ出しました。

「ロブスターは、生死に関わるような激しい刺激等から身を守るために、大事な物を諦める傾向があります。」とエルウッド教授は言います。
研究者は、これらのデータが政府の決定を促したことを嬉しく思っています。
「これは、とても肯定的な動きです。スイスは、可能性のある問題を検討しそれらを解決しようとするようになりました」とエルウッド教授は言及しました。

しかしながら、エルウッド教授にとって、これは問題を解決する第一歩に過ぎません。「スイスで、1年間にどのくらいのロブスターが熱湯調理されているかはわかりませんが、毎年消費されている何百万という甲殻類のことを考えると、これはまだごくわずかな量に過ぎないでしょう。」とエルウッド教授は言います。

人道的な解決策

新しい法律は、メニューからロブスターを除くといったものではありません。より慈愛に満ちた方法で殺すことを、シェフが取り入れることを考慮したものです。

「経験のあるシェフは、大きく切れの良いナイフで、正しい場所に切り込み殺します。それは、素早く効率的に行われますが、人道的な小さな手術です。」とエルウッド教授は示唆します。

エルウッド教授はさらに、”Crustastun“という道具で、ピンポイントにロブスターの神経を壊すという手法も紹介しており、動物が生きたまま煮沸されるだけでなく、手足を切断することも止めさせようとしています。

「私は、現代社会のこのようなありかたに疑問を感じる」とエルウッド教授は述べました。

他国がスイスの後に続くかは、後々わかることになるでしょう。

 

via:CNN travel translated & text nazology staff

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