ディストピア? EUの国境検問所で「AI嘘発見器」のテストが開始

science_technology 2018/11/05

Point
・AIによる嘘発見器のテストが、EUの国境検問所で行われる予定
・細かな表情や仕草を識別して、嘘を見破るという仕組み
・事前のテストでは成功率は76%であり、今のところ実用段階にはない

EUの国境検問所で、AIを使った嘘発見器のテストがもうすぐ始まります。

このプログラムは、“iBorderCtrl”と呼ばれていて、ハンガリー、ラトビア、ギリシャのEU外の国との4つの国境検問所で6ヶ月間行われるとのこと。

“iBorderCtrl”はEUが出資するプロジェクトで、旅行者が円滑で速やかに国境を超えられるようにAIを使用します。利用者にはオンラインの申請書を埋めて、パスポートのようないくつかの書類をアップロードしてもらい、その後、仮想の国境警備員が質問を行います。質問は、「スーツケースには何が入っていますか?」「もしスーツケースを開けて私に見せた場合、あなたの答えが正しかったことは証明されますか?」といったものです。旅行者はウェブカメラに顔を向けて質問に答え、システムは解析を行い、細かな表情や仕草を格付けします。

“iBorderCtrl”が旅行者は正直であると判断した場合、旅行者はQRコードをもらって国境を越えることができます。もし、旅行者が嘘をついていると判断した場合、旅行者は指紋・手の静脈パターン・顔認証といった生体情報をとられ、国境を超える前に職員が情報をチェックして評価を下します。

プログラムはまだ実験的なものであると考えられているため、まだ、国境を越える妨げになることはありません。事前に繰り返された初期の試験では、成功した確率は76%にすぎません。しかし、“iBorderCtrl”チームのメンバーの一人は、この確率を85%まで上げることに自信を持っていると語っています。

たとえその目的に達したとしても、誤りを含む余地は多く残ることになります。しかし、多くの顔認識プログラムに重大な誤認識率問題や偏りがあるとする研究もあり、当然とも言えます。こういったシステムは監視社会につながる可能性もあり、反対を表明する市民グループもあるようです。

 

表情や仕草から嘘を見破るのは人間でも難しいという研究もありますが、AIは果たして見破ることができるのでしょうか?人間には気づかないパターンを見つける可能性もありますが、くれぐれも正直者を嘘つき呼ばわりするようなことにはなってほしくないですね。

 

悪用厳禁。 嘘発見器をあざむく7つのコツ

 

via: The Verge/ translated & text by SENPAI

 

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