自分の性格は「小さな成功体験」で変えられる

psychology 2018/11/03

Point
・人が自分の性格を変えるには、それを望むだけでなく、なりたい性格に一致した行動の成功体験を積み重ねる必要がある
・性格を変えるための行動が失敗するとむしろ逆効果で、望んだ方向とは逆の方向へ性格を向かわせてしまう
・性格を変えるための具体的行動に能動的に取り組めば、長期的に性格を変えることは十分に可能である

「三つ子の魂百まで」というように人の性格はそう簡単に変わるものではありませんが、他者との関わりや経験を通じて特性が変化することもまた事実です。

では、人の性格はどの程度まで変わるのでしょうか?そして、性格を変えるには、それを望むだけで十分なのでしょうか?それとも、変化を起こすための意図的・能動的な行動を実践する必要があるのでしょうか?

今回、米国の研究チームによって、自分の性格を意図的に変えることは可能だが、それには単に自分を変えようと思うだけでは不十分で、なりたい性格に一致した具体的な行動の成功体験を積み重ねる必要があることが判明しました。また、性格を変えるために取った行動が不成功に終わると、そのことが裏目に出て、望んだ方向とは逆の方向へ性格を向かわせてしまうとのこと。研究を行ったのは、南メソジスト大学の心理学者ネイサン・ハドソン氏らで、論文は雑誌Journal of Personality and Social Psychologyに掲載されました。

You have to follow through: Attaining behavioral change goals predicts volitional personality change.
http://psycnet.apa.org/record/2018-53132-001

ハドソン氏らは、心理学専攻の学生377名を対象に15週間にわたる調査を行いました。まず学生たちは、心理学の分野で主流になっている性格の主要5因子である「開放性」、「勤勉性」、「外向性」、「協調性」、「精神安定性」についての説明を受け、自分の変えたい性格を選ぶように指示されました。

調査開始前と各週の初めに、学生たちは60題の性格診断テストを受けました。また、週の初めに毎回、性格の変化を助けるために取り組むチャレンジ項目を、最多で4つ設定しました。これらの項目は性格診断の専門家の助言をもとに作成され、さまざまな難易度のものがありました。そして、学生が変えたい特質に一致した行動を反映させた具体的タスクが含まれていました。たとえば、外向性に関する項目には、「レジの店員に挨拶をする」という簡単なものから、「クラスで行うプロジェクトのリーダーを買って出る」といった難易度の高いものまでありました。

週末になると、学生たちは自らが設定したチャレンジを達成できたかどうかをコンピュータ上に記録しました。チャレンジの内容は本人の状況に合わせて柔軟に変えられたため、前週のチャレンジに成功した学生には、さらに難易度の高い項目が提案されるか、または前週と同じ内容であってもより回数を多く実行することが求められました。動機付けのため、成功した時には画面上でご褒美のバッジが与えられました。

調査の結果、特質に一致した行動に成功できた数が多い被験者ほど、その難易度に関係なく、本人が望む方向に性格がシフトすることが判明しました。性格を変えるための行動に能動的に取り組めば、長期的に性格を変えることは十分に可能だということがわかったのです。

一方で、チャレンジに成功しなかった場合、被験者の性格に望むのとは反対の変化がもたらせる、という気がかりな事実も明らかになりました。つまり、成功するか否かは、チャレンジを達成できるかどうかに掛かっており、万一失敗すればやぶ蛇の危険大ということ。ハドソン氏らは、その原因を、自分が設定したチャレンジに失敗することで自信を失い、自分の性格をさらに厳しく再評価するためではないかと推測しています。たとえば、内向的な人が「知らない人に向かって自己紹介をする」ことに失敗すると、それまで以上に自己を内向的な人間として再認識してしまうのです。

「意識的な行動は第二の天性をつくる」と言いますが、そのためにはどんな行動をするかを慎重に選ばなければならないということでしょう。たとえば、開放性を高めたい人が「外国のニュース記事を読む」ことにトライするのは有効でしょうが、「自分と異なる意見を持つ人を見つけて、その人の考え方を理解するために質問する」ことに挑戦するのはリスキー過ぎるかもしれません。

 

変化を望む人は、まず小さなチャレンジから段階的に始めてみるのが賢明と言えそうです。

 

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via: digest.bps / translated & text by まりえってぃ

 

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