レアな中間質量ブラックホールが、近づいた「ゾンビ星」を復活させている可能性

space 2018/11/02
Credit: Lawrence Livermore National Laboratory
Point
・中間質量ブラックホールは、確証の取れた観測例がない捕らえるのが難しい天体
・星の残骸である休眠中の白色矮星が、中間位質量ブラックホールに近づくと再点火されることがシミュレーションで示される
・シミュレーションによるとこの現象は観測可能であり、中間質量ブラックホールの発見に結びつく可能性

恒星が超新星爆発で死んだ残骸の1つが、白色矮星です。予熱で輝くため、時間とともに暗くなり最後には見えなくなります。そのため、「ゾンビ星」とも呼ばれることもあります。

以前お伝えした「ゾンビ星」はまた別のものなのですが、どうやら星が死んだ後も輝き続ける謎の現象があるようです。

そしてこの白色矮星が復活して輝く時、その近くには発見の難しい中間質量ブラックホールがあることが、シミュレーションにより明らかになりました。研究はローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)でおこなわれ、“Astrophysical Journal”で発表されています。

Relativistic Tidal Disruption and Nuclear Ignition of White Dwarf Stars by Intermediate-mass Black Holes
http://iopscience.iop.org/issue/0004-637X/865/1

研究の目的は、休眠中の白色矮星が、中間質量ブラックホールに近づいた時に再点火される可能性の調査です。中間質量ブラックホールは、恒星サイズのブラックホールが超大質量ブラックホールに成長する途中段階にあるものと考えられていますが、はっきりと確証の取れた観測例はありません。その大きさは、太陽の100倍から10万倍程度。今回の研究では、この中間サイズのブラックホールによる重力が、白色矮星を再点火する際にちょうど良い大きさであると主張しています。

この説を確かめるため、研究チームは白色矮星とブラックホールが接近する数十のシナリオのシミュレーションをスーパーコンピューターで走らせました。その結果、一度死んだ星が再点火されることを確認しただけでなく、その過程で観測可能な十分な強さの電磁波が放出されると同時に、その重力波は、地球に近い軌道上の検出器で検出できる可能性があることがわかりました。

シミュレーションによると、白色矮星がどのようにブラックホールに近づいたかに応じて、星に含まれる物質が核融合をおこして、様々な量のカルシウムや鉄になります。矮性が近づくだけ、核融合も効率的となり多くの鉄ができます。最も最適な条件では、星に含まれる物質の60%が鉄へと変化することがわかりました。効率的な距離は、ブラックホールの半径の2倍から3倍です。

研究はシミュレーションによるもので、まだ実際の観測例はありませんが、もし見つかったとすれば、それは中間質量ブラックホールの存在を示すものとなります。謎の多い超大質量ブラックホールの成り立ちを知る上で、中間質量ブラックホールの存在の有無は重要です。今後実際に、ゾンビ星の復活が報告されるのを期待しましょう。

 

非常に珍しい「中間質量ブラックホール」を発見

 

via: Phys.org/ translated & text by SENPAI

 

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