2MW級レーザーと30m級望遠鏡を使えば、異星文明に地球人の存在を教えられるという研究

space 2018/11/06
Credit: MIT News
Point
・地球から信号を発することで、地球外知的生命とコンタクトをとる試みはアクティブSETIと呼ばれ、小規模で行われている
・MITによる研究で、異星文明の天文学者が見逃さないほどの強さで赤外線信号を送ることは現在の技術でも可能なことが示される
・同様の方法で異星文明から発せられる可能性のある赤外線信号を探す価値はある

もし天の川銀河に他の知的生命体の文明が存在するなら、信号を送ることで人類の存在に気付いてもらえるかもしれません。

現存する技術によって、任意の星系に巨大望遠鏡で高出力レーザーを照射することで、太陽光とははっきりと区別できる信号を送ることができるという研究をMITが発表しました。研究は大学院生のジェームズ・クラークによって行われ、“The Astrophysical Journal”で発表されています。

Optical Detection of Lasers with Near-term Technology at Interstellar Distances
http://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/aae380

地球外知的生命体の探索といえば、SETIによる電波望遠鏡を使った探索が最も盛んです。このアプローチは「パッシブSETI」とも呼ばれていて、地球外文明が発した信号を受信することで文明を発見しようというものです。一方で、「異星文明に信号を送ることで、地球文明を発見してもらう試み」は「アクティブSETI」といいます。

メッセージを乗せた電波を他の星や天体に飛ばしたり、探査機のパイオニアやボイジャーにメッセージの入ったプレートやレコードを搭載したりといったことも、アクティブSETIといえるでしょう。もし、地球レベルの観測能力が異星文明にあったとすると、3000光年先までは電波信号を受信できます。

しかし、今までに飛ばした送信波は、送信時間が短く見逃される可能性が高い上、収束させていないため地球外文明に届いた時には微弱となり、バックグラウンドノイズに埋もれてしまう可能性もあります。

Photo credit: Denis Bourez on VisualHunt.com / CC BY

クラーク氏の目的は、太陽光の赤外線放射の少なくとも10倍の強度の人工的な赤外線信号を異星文明に届けることです。この強度ならば、異星文明が信号を発見した時に見逃される可能性が低くなると彼は考えています。

クラーク氏は、様々な強度の赤外線レーザーと様々な大きさの望遠鏡の組み合わせを調べました。そして、太陽系から4光年の距離にある惑星プロキシマbに、十分な強度の赤外線レーザーを届けるには、2メガワットのレーザーと30メートルの望遠鏡の組み合わせが、40光年のTRAPPIST-1に届けるには、1メガワットのレーザーと45メートルの望遠鏡の組み合わせが適していることを発見しました。プロキシマbや、TRAPPIST-1の複数の惑星は、ハビタブルゾーンに軌道があるので生命の存在が期待されています。また、これらの組み合わせで放出された信号は、20,000光年先でも検出できるほどの強さがあります。

そして、これらの技術はすでに地球上に存在しています。アメリカ空軍が弾道ミサイルを撃ち落とす目的で開発した、空中発射レーザー(Airborne Laser)は、メガワットの出力があります。また、30メートル級の望遠鏡はまだ存在しませんが、現在計画中や建造中のものがあります。巨大マゼラン望遠鏡や欧州超大型望遠鏡です。

クラーク氏は、同様の方法を地球外知的生命体が利用してコンタクトを取ろうとしている可能性もあると考えており、もしそのような信号が発信されているとすれば、その発見には1メートル以上の大きさの望遠鏡で可能になるといいます。

 

異星文明に対して信号を発することに関しては、相手が友好的でなかった場合に危険であるとして反対する声もあります。しかし、まだ見ぬ文明には抗いがたい魅力があることも確かです。もし敵対的な文明があったとしても、ワープ航法でも無い限り地球への到達が現実的でないことを考えても、期待を込めて異世界文明にレーザーで電話をかけてみる価値はあるかもしれません。

 

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via: MIT News/ translated & text by SENPAI

 

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