超高速回転するブラックホールは「空間そのもの」を回転させる

space 2018/11/09
Credit: Alain Riazuelo of the French National Research Agency, via Wikipedia
Point
・インドの天文衛星アストロサットによるX線の観測により、新たなブラックホールが見つかる
・このブラックホールは相対論的限界速度である、光速近いスピードで自転していることがわかる
・理論上、このようなブラックホールは周りの空間を巻き込んで回転するとされる

インド初の天文衛星アストロサットが、X線を放射しているブラックホールを発見し、このブラックホールが超高速回転していることがわかりました。

アインシュタインの理論でも、ブラックホールの自転が光速に近づくと空間をも回転させることがわかっています。今回の発見は、この手のブラックホールの発見例としては5例目。研究は、インドのタタ基礎研究所主導で行われ、“The Astrophysical Journal”で発表されています。

AstroSat and Chandra View of the High Soft State of 4U 1630–47 (4U 1630–472): Evidence of the Disk Wind and a Rapidly Spinning Black Hole
http://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/aae53b

天文衛星アストロサットは、二連星系の4U 1630-47において異常なX線を検出。そこからブラックホールの発見につながりました。NASAのチャンドラX線観測衛星でも検証され、確認が取れています。

X線は、ブラックホールに落ち込んでいる太陽の質量の約10倍のガスや塵によって引き起こされています。この観測から、ブラックホールが非常に高速で回転していることが判明したのです。

その回転速度は、アインシュタインの相対性理論が設定した限界に近づいています。つまり、光速近いスピードで回転しているのです。ブラックホールについて、計測可能な性質は質量と回転速度しかありません。回転率は0から1の間に設定されますが、このブラックホールの回転率は0.9です。

相対性理論によると、ここまで高速で回転しているブラックホールは、空間そのものを回転させます。空間を回転させるという仮説が正しいとすると、ブラックホールに落ち込むガス状の物質と高い温度を伴った高い回転率は、銀河の形成の謎を解く鍵となり得るでしょう。

アストロサットで発見されたブラックホールを含めても、超高速で回転している例は5つしかありません。また、回転率を別にしても、天の川銀河の内部で見つかったブラックホールは20個しかないのです。

 

ブラックホールという非常に重たい物質を光速近くまで加速させるには、驚くほどのエネルギーが必要なはず。回転する時空では一体どんな現象がおこるのでしょうか。宇宙の規模の大きさと謎に、思わずワクワクしてしまいます。

 

「別の宇宙」のブラックホールの痕跡を発見したという研究

 

via: Business Insider/ translated & text by SENPAI

 

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