まもなく地球に「ダークマターハリケーン」が襲来すると科学者が予測! 暗黒物質を観測する大チャンス!?

space 2018/11/15
Photo credit: herbraab on Visualhunt.com / CC BY-NC-ND
Point
・銀河系に太陽に向かって流れる、一連の星の動きが観察されており、“S1 stream”と名付けられている
・S1 streamは矮小銀河が天の川銀河と衝突して引き伸ばされたもので、暗黒物質も多量に含んでいると考えられ「ダークマターハリケーン」と名付けられる
・この大量の暗黒物質の接近で、未だ発見されていない暗黒物質が検出される可能性

現在科学者たちは、現在「ダークマターハリケーン」が天の川銀河を駆け抜け、地球に向かって進んでいると予測しています。名前はなんだか物凄く強そうですが、心配はいりません。どうやらこの「ダークマターハリケーン」で人が死ぬことはありえないようです。

2017年、天文学者たちは天の川銀河の太陽系の位置する領域を通過する、一連の星の集団を発見しました。その集団には“S1 stream”という名前がつけられており、最も地球に近い銀河系内の星の流れであることが確認されています。

このような星のパレードは天の川銀河が矮小銀河を飲み込む過程で、この小さな銀河を引き伸ばすことによってできたものです。“Physical Review D”に掲載された新たな研究では、このストリームに元の矮小銀河が持っていた大量の暗黒物質も含まれている可能性が指摘されています。

Dark matter hurricane: Measuring the S1 stream with dark matter detectors
https://journals.aps.org/prd/abstract/10.1103/PhysRevD.98.103006
Credit: C. O’Hare; NASA/Jon Lomberg, via Physics

ダークマターハリケーンは、人に危害を加えることはありませんし、玄関のドアを吹き破ることもありません。しかし、暗黒物質の急激な上昇を引き起こすため、暗黒物質を探索している研究者たちにとっては朗報。暗黒物質を見つける絶好のチャンスとなるからです。

問題は、今のところ暗黒物質を実際に検出できる観測機器が存在しないことです。暗黒物質が存在することは、理論上かなりの確度で正しいのですが、その正体については推測の範囲を越えていません。そのため検出機器も、推測を元に設計するしかありません。

今回の論文で研究者は、“S1 stream”にどれくらいの濃度の暗黒物質があれば現在建設中の暗黒物質検出器にシグナルが出るのかを計算しています。暗黒物質検出器が利用可能となれば、ハリケーンについてもっとよく分かるでしょうし、本当に吹いているのかもわかるでしょう。

 

目に見えず、私たちの世界に干渉することもない「巨大な嵐」が通過していると考えると、ワクワクすると同時に恐ろしくもあります。しかし、科学者にとっては暗黒物質の正体を見つける絶好のチャンスです。暗黒物質という大きな謎が解ける日は近いかもしれませんね。

 

ゴースト銀河を発見? 大マゼラン級なのに星が少ない…説明不可能な衛星銀河が観測される

 

via: Live Science/ translated & text by SENPAI

 

SHARE

TAG

spaceの関連記事

RELATED ARTICLE