プロの料理人が「パラパラ炒飯」を作るときの動作を科学者が分析 「大切なのは加熱と冷却のサイクル」

fun 2018/11/25

Point
・チャーハンを放り投げる中華鍋返しについて、流体力学の専門家たちが真面目に研究を行う
・中華鍋返しの周期は0.32秒で、その中に2つの動作からなる4つの段階があることを発見
・今回の発見を元に、お米を宙に舞わせることのできる調理ロボットが設計されるかも

「中華鍋で米を上手く放り上げることは、美味しいチャーハンを作るための重要な要素だ―」。

そう主張しているのは、アメリカ物理学会の第71回流体力学会で、研究を発表した研究者グループです。研究を率いたのはジョージア工科大学のデビッド・フー教授。大学院生のハンタン・コーと共に料理の物理学に興味を持ったものの、周囲の中華料理への関心が薄いことに気づいたといいます。

彼らはまず、中華料理における中華鍋返しについて調査しました。この調理法をさかのぼると、遠く隋の時代にまで求められます。チームは最初に、この調理技術の主要な要素をあぶり出すことにしました。

コー氏は台湾の中華料理屋に出向いて、熟練した料理人がチャーハンを作っている様子をビデオに収めました。食事客はきっと、コー氏がTV番組の撮影でもしているものと思ったでしょう。ところが彼が行っていたのは、真面目な科学研究です。

そして研究室に戻ったコー氏は、フー教授と総計2分間の調理動画を慎重に繰り返し視聴しました。そして、その調理動作が3分の1秒周期で繰り返されることを発見しました。そして、この0.32秒のサイクルの中に、2つの振動動作を組み合わせた4つの明確な段階があることが判明。一つの動きは、料理人の手前と奥への動き、もう一つは中華鍋の傾きが揺れ動くシーソー運動です。この2つの周期運動は同じ周期を持っていましたが、位相が若干ずれていました。

大切なのは、お米が中華鍋を離れて冷やされることです。中華鍋は1200℃と、とても高熱です。よって、料理人はお米を炒めるときに放りなげ、宙を舞わせてからキャッチし、かき混ぜてから再び放り投げる動作を、食材が調理されて完璧なきつね色になるまで続けます。そうすることで、食材を焦げ付かせずに済むというわけです。

フー教授たちは、ひとたび、チャーハン料理の数理モデルを思いつくと、それがロボットのデザインの簡素化に役立つ可能性に気付いたといいます。現在のチャーハンロボットは、鍋を振ったり回転させることで材料を混ぜ合わせるのには成功していますが、米を放り投げることには成功していません。その結果、高温の鍋で調理を行うとチャーハンは完全に焦げ付いてしまいます。今回の発見でお米を宙に飛ばせるチャーハンロボットを設計できるかもしれません。

 

チャーハン調理はスピードと努力を要する仕事です。一流料理人は、人間の能力の極限にいると言ってもいいでしょう。そのため、もし、自動化に成功すれば、役に立つことは間違いありません。近い将来、中華料理店でロボット料理人が見事にチャーハンを作る様子が見れる日が来るかもしれませんね。

 

 

via: EurekAlert!/ translated & text by SENPAI

 

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