10代の頃の性格特性が「死亡率」に関係するという研究

education 2018/11/25
Point
・およそ38万人の学生を対象に半世紀にわたって実施された調査では、10代の頃の性格がその後の死亡率に関係していることが判明
・協調性や外向性など性格の「5大要素」を示した学生は長生きする傾向にあり、衝動的で神経過敏な学生は死亡率が高い
・性格特性は、免疫力の低下や循環系の消耗など、長期にわたって身体的にも精神的にも影響を与える

「怒りっぽい大人は心臓病発生のリスクが高い」など、「成人期」の性格特性がその後の人生における健康問題に関与していることは、すでに知られていることです。

しかし、ロチェスタ大学医療センターとイリノイ大学が発表した共同研究で、「10代の頃の性格特性」が数十年後の死亡率と大きく関係しているという事実が判明しました。調査結果は“British Medical Journal”に掲載されています。

High school personality traits and 48-year all-cause mortality risk: results from a national sample of 26 845 baby boomers
https://jech.bmj.com/content/early/2018/10/30/jech-2018-211076

今回の調査に参加したのは、アメリカの5%(1226校)高校生37万5千人。学生の年齢は13歳〜17歳で、性格特性を評価するアンケートに回答してもらいました。調査は1960年代から始められており、その後半世紀にわたって続けられ、2009年にようやく終了しました。

アンケートは性格特性の項目以外にも、家庭背景や親の教育状況、職の肩書や収入、住居や土地所有の有無なども含まれており、性格特性との総合的な関係が調査されています。

その後、48年間の観察期間の間、参加者の13%が亡くなりましたが、調査結果では10代の頃の性格特性がその後の死亡率と相関関係を示していることが判明しました。10代の頃に受けたアンケートにて、協調性や落ち着き、知的好奇心、さらに活発で利発的な性格特性欄で高いスコアを示していた学生は、その後の48年間での死亡率が低かったのです。

死亡率の低い学生たちは、性格の「5大要素(big five)」と呼ばれる特性を強く提示していることも分かりました。「5大要素」とは、「開放性」「勤勉性」「外向性」「協調性」「精神的安定性」のことを指しており、この5つの特性を示した学生は、長生きする傾向が高いことが実証されています。そして反対に、アンケート調査にて、衝動性や神経過敏の項目で高いスコアを示した学生は、死亡率が高かったことが観察されています。

しかし、調査結果には性格特性と無関係な要素もやはり関与しており、性格と死亡率の直接的な因果関係を指摘するのは難しいとのこと。その具体的な例としては、学生たちの民族性の問題や家庭環境などによるものが挙げられます。

研究者は、今回の調査がただ相関関係を示しているだけであり、性格と死亡率との間に直接的な因果関係があることは断言できないことを理解しなければならないと指摘しています。現に、性格特性が死亡率との強い関係性を示していても、さらに性格と遺伝子、生活習慣などの間の関係を長期的に調査する必要があるでしょう。

また、10代の頃の性格特性は健康に長期的な影響を与えていると考えられており、不健康な生活習慣を送ることが、免疫力の低下やホルモンバランスの崩れ、循環系の消耗といった身体へのダメージを深刻化させています。専門家たちは、親が子どもに協調性や親切心、知的好奇心などをできうる限り、大切にして育んであげることが重要だと言います。というのも、性格特性は、近い将来、子供の心理的側面だけでなく、身体的な健康にも大きく影響を与えるのは事実だからです。

 

今回の調査が、性格特性と死亡率との明確な因果関係を示しているわけではありませんが、よく人間は、20を超えると中々自分を変えることが難しくなるといいます。しかしたとえ10代を不健康に過ごしても、習慣を変えられる勇気があれば、その後の人生を健康に過ごすことは難しくはないかもしれません。

 

「寿命」はほぼ遺伝しないことが判明。重要なのはライフスタイル

 

via: forbeseurekalert / translated & text by くらのすけ

 

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