異星文明の巨大構造物?奇妙な減光を示す2つ目の星が見つかる

space 2018/11/23
Photo credit: 禁书网中国禁闻 on Visualhunt.com / CC BY-NC-ND
Point
・不規則で程度の高い減光を示す謎の変光星として、「タビー星」が知られているが、そのメカニズムは謎である
・タビー星に似た謎の減光を示す星が、2012年の観測データから発見される
・2つ目の例が発見されたことで、自然現象とした場合の検証が可能になった

奇妙な減光を示す星として、「タビー星」として知られるKIC 8462852があります。減光率が極めて高く期間も不規則なため、現在その原因は不明。巨大な輪を持つ惑星であるとか、彗星の大群などといった説がありますが、中には、高次文明による星のエネルギーを集めるためのダイソン球と呼ばれる巨大建造物だという途方もない説もあります。

今回チリの望遠鏡を使った観測データの中から発見されたのは、VVV-WIT-07です。この発見により、奇妙な変光星の謎を解く鍵が一つ増えたことになります。研究は、“Monthly Notices of the Royal Astronomical Society”で発表されています。

VVV-WIT-07: another Boyajian’s star or a Mamajek’s object?
https://academic.oup.com/mnras/advance-article-abstract/doi/10.1093/mnras/sty3004/

発見は、“VISTA Variables in the Via Lectea(VVV)”と呼ばれる変光星を調査する研究の一環で行なわれました。サンタカタリーナ連邦大学の天文学者ロベルト・サイトウ氏は、何億もの星のデータから爆発的な輝度の上昇を探していました。しかし、サイトウ氏が2012年のデータから見つけたのは数日にも及んで輝度が減少する謎の変光星でした。

VVV-WIT-07は、太陽よりも古く赤みの増した恒星です。太陽と、この星の間の星間物質が多い上に銀河の中心に近いため、その正確な距離はわかりません。唯一分かっているのが、2012年にこの天体の輝度が11日間に渡って弱くなり、続く48日間に渡って急落したことです。何かがこの星と地球の間を横切ったことは明らかです。しかし、それが一体何であるのかは分かりません。

Credit: NASA/JPL-Caltech

このような激しい輝度の減少は、横切った物体、あるいは群れが尋常ならざるほど大きかったことを意味しており、タビー星を発見したタベサ・ボヤジアン氏もこの意見に賛成しています。VVV-WIT-07は、とても奇妙な種類の塵の雲に隠れたのかもしれないと述べています。

2016年の観測データによる観測を含めたデータを元に、サイトウ氏らは2019年までに明滅を繰り返すものと推測しています。謎の光を遮る物質が、天体の軌道上を回っているなら、年内に4回の減光が起こるはずだと考えているのです。もし予測が正しければ、VVV-WIT-07の謎だけではなく、タビー星の謎をも解く鍵を手に入れたことになるでしょう。

チリでは、大型シノプティック・サーベイ望遠鏡の建設が進んでいます。2020年代に始まる、この8.4メートルの望遠鏡による観測で、他にも奇妙な変光星が見つかる可能性もあります。当面、サイトウ氏はVV-WIT-07の観測を、赤外線を使って続けることにしています。というのも、この天体と地球の間にある星間物質の影響を受けにくいのが近赤外線だからです。

 

タビー星とVV-WIT-07という奇妙な変光星が、高度な異星文明による巨大構造物の証拠にでもなれば、世界を揺るがす大発見となるでしょう。しかし、もっと合理的でシンプルな説がある限り、そのような結論にはなかなか至らないのが現実です。謎を解くには地道な観測を続けるしかないのですが、観測機器の進歩でその歩みは加速するでしょう。次の発見が待ち遠しいですね。

 

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via: Scientific American/ translated & text by SENPAI

 

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