神秘的な「シベリアユニコーン」のDNA解析に初めて成功 人間と共存していたかも

animals_plants 2018/11/28
credit: Wikimedia
Point
・「シベリアユニコーン」はサイに似た絶滅した古の生物で、アジア・ヨーロッパの草原に生息していた
・絶滅時期は20万年前と29,000年前という2つの説があったが、炭素年代測定で36,000年前とわかり、DNA解析が可能であることがわかる
・DNA解析の結果、サイと分岐したのは考えられていたよりも古く、4千万年前であることがわかる

サイに似ていたとされる「シベリアユニコーン」ことエラスモテリウムは、謎の多い古生物の一つです。今回、この神秘的なユニコーンのDNA解析に初めて成功したことが報告されています。その結果、今までベールに包まれていた謎の一部が解明されました。研究は、“Nature Ecology & Evolution”で発表されています。

DNA of The Mysterious ‘Siberian Unicorn’ Has Been Analysed For The First Time
https://www.nature.com/articles/s41559-018-0722-0

今回の研究で、シベリアユニコーンが絶滅したのは、かつて考えられていた20万年前ではなく36,000年前であり、ずっと長く生き残っていたことがわかりました。これは、現生人類とシベリアユニコーンが出会っていた可能性があることを意味します。また、シベリアユニコーンは、現代のサイとは以前考えられていたほど近い種ではなく、固有の系統として進化し、サイとの共通祖先は4千万年前までさかのぼらなければならないこともわかりました。

Photo credit: Lester Public Library on Visualhunt.com / CC BY-NC-SA

以前の2016年の研究では、頭蓋骨の標本の炭素年代測定が行なわれた結果、このシベリアユニコーンが29,000年前のものであることが示されたのですが、標本にはコラーゲンがあまり含まれていなかったことから、信頼性が低いとされてきました。

今回の研究では、23の骨の標本が集められ、DNAサンプルが回収できる年代のものかを調べるために、炭素年代測定が再び行なわれました。その結果、いずれも35,000年から36,000年の間に収まることが判明。この時期は気候変動のおこった時期にあたります。極寒とは言えませんが、寒い冬がシベリアユニコーンの生息した草原をおおったと考えられます。

骨に含まれる放射線の変化から、炭素と窒素を測定でき、その結果からシベリアユニコーンが草しか食べなかったことが分かりました。当時、他の動物たちはエサをハーブや低木などへと切り替えて行きましたが、シベリアユニコーンは絶滅に追い込まれるまでの間、頑なに草しか食べなかったようです。

草しか食べれなかった理由は一体何でしょうか?その理由は頭の大きさにあるようです。頭を低いところにしか伸ばせず、高く持ち上げたとしても草の背丈より高くは上がらなかったといいます。それどころか、首を持ち上げること自体出来なかった可能性もあります。持ち上げられなかった理由の一端は、その巨大な角が原因と考えられます。角はケラチンというタンパク質で出来ていたため、発見されてはいませんが、その土台となった骨格と、現存する角を持つ生物との比較から、その長さは1メートルにも達したと考えられています。

ここで、一つ謎が浮かびます。シベリアユニコーンは数千万年前には、系統樹から枝分かれして存在していました。その間には数々の気候変動に見舞われたはずです。それなのに、草しか食べないこの生き物は生き延びているのです。さらに、極寒期に達する前の緩やかな寒冷化でシベリアユニコーンは絶滅していることも謎です。この謎の解明は今後の研究の進展にかかっています。

 

シベリアユニコーンの絶滅は、緩やかな気候変動においても、長く繁栄した生物が絶滅しうることを示しています。今人類が直面している気候変動も、希少な生物種を絶滅に追いやる危険性が十分にあるということです。神秘的な古代のユニコーンが伝えているこの教訓を活かせるように、人類は努力する必要があるでしょう。

 

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via: Science Alert/ translated & text by SENPAI

 

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