とんでもない量。宇宙誕生から放射されたすべての光子の量が見積もられる

space 2018/12/02
Photo credit: sjrankin on Visual Hunt / CC BY-NC
Point
・ガンマ線を発する天体740個からのガンマ線データを使って、各年代の「銀河系外背景光」を計算
・その結果、宇宙が生まれて現在に至るまでに生み出されたすべての光子の数がおよそ4×1084であると見積もられる
・宇宙の各年代における電磁波ごとの総量がわかり、歴史の一端の解明に重要なデータとなる

ビックバン以降、宇宙のいたるところで星が生まれ銀河が生まれ、様々な光が放射されてきました。その量たるや、もちろん想像もつかないほどですが、誰がこれを数えようと思ったでしょうか。

新たな研究では、なんとその放射された光の総量の見積もりが取れたというのです。その総量は、光子4×1084個。目が点ならぬ、目が光子です。研究は11月29日付で“Science”に掲載されました。

A gamma-ray determination of the Universe’s star formation history
http://science.sciencemag.org/content/362/6418/1031

宇宙に生み出される光のほとんどは恒星から生み出されます。恒星の核では、水素を燃料とした核融合がおこっていて、ガンマ線を生み出しています。しかし、生み出されたガンマ線がそのまま放射されることはありません。ガンマ線は恒星内部の物質とぶつかってエネルギーを失い、X線、紫外線、可視光とどんどんエネルギーの低い電磁波へと変わっていきます。太陽の場合放射される電磁波は、紫外線以下のエネルギーを持つものとなっています。そしてその光が最終的に恒星の外へ放射されるのは、核融合が起こってから何千、何万年経ってからです。

宇宙には2兆と言われるほど多くの銀河があると言われていますが、ほとんどの銀河からの光は地球に届くまでに、微かになりすぎて観測できません。それは、4km先の60ワット電球を肉眼で見ようとするのと同じことです。それでは一体、どのようにして見積もることができたのでしょうか。

共同研究者の一人、クレムソン大学の天体物理学者マルコ・アジェロ氏らは、光の総量を見積もるために、NASAのフェルミガンマ線宇宙望遠鏡のデータを使用。739個のブラックホールによるガンマ線放射が見られる銀河、ブレイザーと、1つのガンマ線バーストからの計測データを使って、宇宙の各年代に放射された光の見積もりをとったのです。

ガンマ線は、宇宙を横切る際に恒星から放射された紫外線、可視光、赤外線などの光子が作る霧である、「銀河系外背景光」と相互作用します。その過程で光子は、電子や、陽電子へと変換されるのです。こういった小さな変化を検出することで、各年代にこの「霧」がどれだけ存在したのかを見積もることができます。

研究の結果、星の形成が最も盛んだったのが、100億年前であり、それ以降急激に減ってきていることが分かりました。アジェロ氏は、光の総量はそこまで重要ではないといいます。というのも、見積もりからは、可視光よりもエネルギーの低い赤外光が除外されており、10倍以上少なく見積もられている可能性があるからです。

重要だと考えられるのは、宇宙形成のはじめから、各年代で各電磁波それぞれがどれくらいの量存在したかを計算できたことです。アジェロ氏らは、宇宙で生み出された光の歴史の内、90%を解明することができました。残る10%の解明にはおそらく今後10年以上の観測が必要になると言います。2021年に打ち上げられるジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡からのデータが必要となるでしょう。また、今回の研究結果は、光子とガンマ線の衝突で出たガンマ線を検出する、フェルミガンマ線望遠鏡の観測のベースの数字として使用される予定です。

 

今回の光子の数に実際にゼロをつけてみると、およそ4,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000個ということです。大きすぎてもはや読めません。最も大きい単位として覚えた人も多い無量大数が1×1068なので、それよりもさらに大いということです。さすが宇宙。半端ないです。

 

回転するブラックホールのシミュレーション動画がスゴイ

 

via: Live Science/ translated & text by SENPAI

 

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