人類史を塗り替えるかもしれない石器がアルジェリアで発見される! 人類は誕生後すぐに世界中に散らばった可能性

history_archeology 2018/12/03
Point
・人類の起源は260万年前の東アフリカにあり、アフリカを出るのは少なくとも7万年前であることが通説だった
・しかし、グルジアで発見された石器は東アフリカのものと近似しており、年代を測定すると180万年前のものであった
・それ以外にもパキスタンや中国で同様の石器が見つかっており、グルジア原人が東部地域に移住した可能性もある

東アフリカは「人類が最初に誕生した地」であり、初めて人工的な石器が発明された場所としても知られています。これまでの定説では、石器発明の年代は、およそ260万年前頃から、長く東アフリカ周辺のみで広まっていたというのが定説となっていました。

しかし、考古学者であるモハメド・サヌーリ氏とその研究チームによって行われた新たな研究によると、アフリカの北部にあるアルジェリアの遺跡発掘調査で、およそ192万年から244万年前のものと推測される石器が発見されたのです。今回の発見は、人類がこれまで考えられていたよりもずっと早くに世界各地へ移動していたことを示唆するものとなっています。研究は11月29日付けで“Science”誌に掲載されています。

1.9-million- and 2.4-million-year-old artifacts and stone tool–cutmarked bones from Ain Boucherit, Algeria
http://science.sciencemag.org/content/early/2018/11/28/science.aau0008

アルジェリアで発見された石器は、「オルドワン石器」と呼ばれる最も古い石器文化に属しており、東アフリカで発見された最古の石器と非常に似たものです。オルドワン石器は、ほどよい大きさの自然石を別の石で打ち砕いていくことで造られ、動物の骨を砕くハンマーとして使われていました。また先端を尖らせることで、肉片や硬い植物などを加工処理したりするナイフとしても便利なものでした。

またアルジェリアの同じ場所で発掘された動物の骨には、石器によって切り傷がつけられているのが観察されており、これは初期原人が活発に狩りを行っていたことを証明しています。この研究は年代の正確性が鍵となっているため、専門家たちは慎重な調査を行っています。方法としては、けい砂の放射性崩壊を測定する「電子スピン共鳴年代測定法(electron spin resonance dating)」を用いており、これによって石器製造の年代をおよそ192年前〜244万年前と割り出すことに成功しています。

さらに、オルドワン石器に類似する石器はアフリカ大陸から離れたグルジアでも発見されており、その年代は180万年前のものだったのです。これはつまり、人類が従来の考えよりもずっと早く世界に広がっていたことを示唆しています。

「出アフリカ説」では、人類がアフリカ大陸を離れるのは早くとも7万年前〜5万年前であり、180万年前のグルジアの石器は人類史を大きく変える発見となるかもしれません。

Credit:Stone tool cut marks on animal skeleton. (I. Caceres)

またグルジア以外に、同時期のパキスタンや中国でも小さなオルドワン石器が見つかっています。もしグルジアの原人がアフリカ大陸から離れた最初の人類であるなら、彼らはアフリカを出てすぐにパキスタンや中国など世界中に移動していった可能性が高いでしょう。

オルドワン石器の文化を発明した原人は正確に分かってはいませんが、専門家たちはおよそ260万年前〜1万年前に生きていたホモ・エレクトスである可能性が高いと指摘しています。そして中国で見つかっているホモ・エレクトスの化石は160万年前のものであるため、石器製造の技術を世界中に広めたのはホモ・エレクトスであると推測するのは自然なことでしょう。

 

今回の研究により、初期の人類は誕生してすぐにアフリカを後にし、東部地域へと移住していった可能性を示唆しています。また、それだけでなくサヌーリ氏は「人類誕生の地が東アフリカであるという狭い視野に囚われないようにさせる」と説明しています。要するに、人類はアフリカ発ではなく、世界で同時多発的に誕生した可能性すらあるのです。

 

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via: sciencealert / translated & text by くらのすけ

 

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