NASAの宇宙探査機オシリス・レックスが小惑星ベンヌに到着! 「タッチ・アンド・ゴー」機能に期待

space 2018/12/04
Credit: NASA/Goddard/University of Arizona
Point
・NASAの宇宙探査機オシリス・レックスが、目的地の小惑星「ベンヌ」に到着
・小惑星に存在するかもしれない有機化合物を燃料資源として活用できる可能性や、小惑星が地球に衝突する危険性に関する情報を得られることに期待
・オシリス・レックスは、圧縮窒素を噴出することで瞬時に地表の塵を回収する仕組みを持つため、凹凸が多い地表での活動に対応

2016年9月にNASAが打ち上げた宇宙探査機オシリス・レックスが、ついに目的地の小惑星「ベンヌ」に到着しました。

ベンヌは地球と火星の間に位置し、太陽を周回するダイヤモンド型の「でこぼこ」した隕石です。一方オシリス・レックスはバスほどのサイズで、2年以上にわたる長旅の末、地球から20億キロメートル以上も離れたベンヌに到着。

これから約1年半にわたり、オシリス・レックスはベンヌの上空約7キロメートルを飛行しながら、ベンヌの撮影を続けます。来月は、表面を低空飛行で3周しながら、ベンヌの体積、自転速度、形状を計測する予定です。その後は少しずつベンヌ表面に近づいて行き、この小惑星の隅々を探索しつつ塵のサンプルを集めます。2020年半ばには再びゆっくりとベンヌを離れながら帰路につき、2023年には晴れて地球に帰還する計画です。

存在が確認されている小惑星は50万個以上に上りますが、その中からベンヌが目的地に選ばれたのには理由があります。まずは何と言っても、地球からの距離が近いことと、軌道が地球と似ているため探査機が軌道に突入しやすいことが、ポイントでした。また、直径500メートルというサイズも完璧でした。直径200メートル未満の小惑星は、自転速度が速すぎて探査機がついていけないだけでなく、表面に物質が留まらない可能性が高いのです。さらに、ベンヌの表面の濃い色は、有機化合物を豊富に含む可能性を示していました。

「ベンヌは、初期の太陽系の時代からの元素や物質が保存されているタイムカプセルのようなものです」と、プロジェクトの副調査官ヘザー・エノス氏は説明しています。ベンヌの調査には、人類が将来、小惑星から燃料資源を採掘して地球に運搬できるかどうかを探る機会としての役割もあります

Credit: NASA/Goddard/University of Arizona via AP

一方で、近い将来にこうした小惑星が地球に衝突する危険性に関する情報も得ることができます。実は、ベンヌ自体も衝突の恐れがある「潜在的に危険な」小惑星として分類されており、今から約150〜170年後の22世紀後半に地球に衝突する可能性が2,700分の1あります。サイズが小さいため、地球全体の生命を滅亡させるほどの威力はないとはいえ、衝突した地点から半径数百キロメートルの範囲にわたって壊滅的な自然災害を引き起こすと推測されています。オシリス・レックスに託された重要なミッションの一つは、太陽風がベンヌの軌道に与える影響(ヤルコフスキー効果)を計測することです。

オシリス・レックスの着陸速度は秒速約10センチメートルとかなり遅く、地表に接触する時間は5秒にも至りません。圧縮窒素を噴出することで瞬時に地表の塵を回収するという仕組みで、回収に失敗した時に備え3回はトライできるだけの量の窒素を積載しています。

 

今年初めには、日本の探査機が小惑星「りゅうぐう」に配置されましたが、探査機そのものが着陸して地表を動き回りながらサンプルを集める計画は、特に岩場が多いこの小惑星においては困難を極め、なかなか進んでいません。りゅうぐうほどではないものの、同じく凹凸の多いベンヌで、オシリス・レックスが備えた「タッチ・アンド・ゴー」機能が本領を発揮し、有益な情報を地球に持ち帰ってくれることに期待しましょう。

 

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via: abc / translated & text by まりえってぃ

 

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