「モンスター級」ブラックホールの重力波を新たに発見! 合計11個に

space 2018/12/04
Credit: IGO/CALTECH/MIT/SONOMA STATE
Point
・重力波検出器の膨大なデータを再調査した結果、今までで最大のブラックホールを含む4つの新たな重力波を発見
・証拠不十分として認められていなかったイベントが、再評価の結果基準を満たし、重力波イベントに昇格
・発見例の増加とともに、今後の発見が加速すると期待される

今まで検出された中でも、最大のブラックホールによる重力波が発見されました。

研究施設LIGOとVirgoによる共同研究チームが、レーザー重力波検出器によって観測された2017年7月29日のデータから、巨大なブラックホールの衝突による重力波をあぶり出すことに成功。この衝突イベントでは、太陽の質量の50倍以上と34倍以上の天体が衝突しており、最終的には80倍の質量の1つのブラックホールになっています。このイベントは、地球からの距離は少なくとも50億光年離れた宇宙で起こっています。

GWTC-1: A Gravitational-Wave Transient Catalog of Compact Binary Mergers Observed by LIGO and Virgo during the First and Second Observing Runs
https://arxiv.org/abs/1811.12907
Binary Black Hole Population Properties Inferred from the First and Second Observing Runs of Advanced LIGO and Advanced Virgo
https://arxiv.org/abs/1811.12940

この発見のきっかけとなったのは、「主要データ再解析計画」です。最初の解析では見過ごされていた他のブラックホールの衝突3つを改めて解析することで、新しい重力波の発見につながりました。また、「候補」と位置づけられていたものを再評価して、完全な検出へと昇格させたものもあります。

再解析プロジェクトによって、重力波イベントのカタログに、現在では11の重力波イベントが登録されています。そのうち10個がブラックホール同士の衝突によるもので、残る1つは中性子星の衝突です。

Credit: Carl Knox、OzGrav / 中性子星合体のイメージ

発見が遅れたのは、莫大なデータから重力波を探す解析方法を再度確認して、評価を加える必要があったからです。検出されたデータを理論予測と比較したり、機材が健全に機能しているか確認したり、3箇所にある個別の検出器で同様の発見がされていたのかを確認したりと、スーパーコンピューターを使った解析とはいえ長い時間がかかったのです。

重力波イベントは、重力波(Gravitational Waves)の頭文字GWと観測された日付によって名付けられています。新たに見つかった4つは、GW170729、GW170809、GW170818そしてGW170823です。

また、証拠不十分と考えられていたLVT151012が、再調査の結果、基準を満たしたとして重力波イベントへと昇格しました。そのため、このイベントはGW151012に名前が変わっています。

重力波発見の例が増えてくると重力波の推測もしやすくなります。そのため、発見はさらに加速するでしょう。現在、重力波検出器は性能を改良するために運用が止まっていますが、来年運用が再開した暁には、その感度は2倍に、そして検出率は8倍アップすると期待されています。

 

このように、重力波の検出が日常的になり観測例が増えてくれば、ブラックホールや中性子星の性質についても新たなことが分かってくるはずです。また、今まで想像もできなかった放出源が見つかる可能性もあります。始まって間もない重力波天文学ですが、今後の発展に期待が持てますね。

 

 

現在の理論では説明不可能? 奇妙な光のパターンを示す超新星爆発

 

via: BBC/ translated & text by SENPAI

 

SHARE

TAG

spaceの関連記事

RELATED ARTICLE