空中に浮かぶ立体画像が現実に? 次世代のホログラム

science_technology 2018/01/27

空中に浮かび上がる立体画像は、SF好きが夢想する技術の一つでしょう。

最近その可能性を大いに近づける技術に関する論文が、あのNatureに掲載されました。未来はすぐそこまで来ているようです。

A photophoretic-trap volumetric display
https://www.nature.com/articles/nature25176

大きな劇場スクリーンで記憶に残る不滅のSFシーンの一つは、「スターウォーズ」でR2-D2がビームでレイア姫の立体画像を空中に映し出すシーンでしょう。そのシーンの実現にまた一歩近づきました。それは塵のようにとても小さな粒子をスクリーンにした方法です。

科学誌Natureに発表された研究によると、ほとんど目に見えない小さな粒子を操作して、空中にホログラムよりもリアルでくっきり見える立体像を作り出す方法がみつかりました。筆頭著者のダニエル・スモーリーが言うところでは、この新しい技術は、物を実際に空中にプリントし、それを非常に速く消すこともできるのです。

Credit: https://phys.org

今回の例では、踊っているように見える小さな蝶を指先に作ったり、スターウォーズのシーンのレイア姫のように映像を作ったりしました。

この新しいホログラムは、他のタイプのホログラムと比べ、スター・ウォーズのシーンの再現に最も近づいている技術です。

競合する技術の研究を行っているロチェスター大学のカーティス・ブロードベントによると、「彼らのやり方はとてもクールです。観客が映像を取り囲むことができ、しかもそれぞれの視点から違った角度の像を見れるのです。これは従来のホログラムには出来ません」

ちょうど『スタートレック』のトラクタービームのように、その小さな粒子はレーザー光で操作されます。ブリガムヤング大学電気工学の教授のスモーリーによると、実は彼のアイディアの源は他のSF映画でした。それは映画「アイアンマン」の中で、トニー・スタークがホログラムのグローブを装着するシーンです。しかしこれは現実の世界では起こりえません。スタークの腕が映像を壊すからです。

Credit: https://phys.org

「トニー・スタークの腕のように映像を壊してしまう可能性のある物を迂回して粒子を保持し、動かすことが鍵です。このため、腕はもはや邪魔者ではないのです」

「この技術的にはボリュメトリックディスプレイ(volumetric display)と呼ばれる技術に、ホログラムから移りゆく有様は、ちょうど、2次元のプリンターから3次元のプリンターへの移り行きに似ています。ホログラムは目に入った時に3次元に見えるようにします。しかし、その魔法のすべては2次元の表面で起こっているのです」

はじめに、スモーリーは重力が粒子を落下させ、イメージを維持することを不可能にするだろうと考えていました。しかし、レーザー光のエネルギーは粒子を浮かせ続けられるように空気の圧力を変化させるのです。

Credit: https://phys.org

「他のボリュメトリックディスプレイ技術はより大きな『スクリーン』を使います。その像に指を突っ込むことは出来ません。なぜなら指が切断される可能性があるからです」と、MITの教授V・マイケル・ボウブは言います。彼はこの研究チームの一員ではありませんが、スモーリーの助言者です。

スモーリーが使う装置は子供のランチボックスの約1.5倍です。

今のところ、その投影像はちっぽけですが、さらなる研究と複数のビームで、スモーリーはより大きな投影像を作ろうと考えています。

いつの日かこの方法で、医療手順の手引の補助やエンターテイメント目的でこの技術を使うことができるでしょう。SF好きには非常に楽しみな技術ですね。

 

via: Phys Org/ translated & text by Nazology staff

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