「1、12、2、13…」マドリッドの車止めポールに刻まれた暗号の正体とは?

fun 2019/01/06
Credit: JOSEÁNGEL MURCIA

この見たところ何の変哲もない、車の侵入を防ぐための「ポール」はスペインのマドリッドのもの。しかし、このデザインに隠されたヒミツに気がついてしまった人物がいました。

数学教師として働くホセアンヘル・ムルシアさんは、職業柄なのか、どうしてもその数に規則性があるように思えて仕方がなかったのです。「1本、12本、2本、13本、3本、9本」といった配置で線がぐるりと一周しているこのデザイン。ムルシアさんは自力で謎解きを試みましたが、いくら考えても答えは降りてきません。

そこでムルシアさんは、ネットの力を活用すべくその内容をツイートすることに。

この謎めいた疑問にはおよそ2,000のリツイート、600以上の返信があり、様々な「仮説」が寄せられました。付近にあるセゴビア橋の円弧に関するものであるとする説や、線ではなく線の間の「隙間」が答えに関係しているとする説、中にはデザインの中に「ランダウ・ラマヌジャンの定理」といった有名な定理から導かれた六角形を見つけ出した人物もいました。

さらには3Dプリンタでポールのレプリカを作ってしまった人物や…

このパターンを基にピアノで作曲を試みた人物まで現れました。その旋律はどこか切ない…

そんな一種の「祭り」状態を引き起こしてしまったこの意味深なポールですが、ついに製造元の企業がそのデザインの意図について説明をすることに。ポールを作っていたのはフォルハス・エスティーロという会社。同社が説明した「タネ明かし」は、ちょっとステキなエピソードを含んだものでした。

同社によれば、ポールに刻まれた線は「ポールの完成に関わった街」の位置を示すものであるとのこと。

10年前、その設計に携わったスペイン人建築士ビクトル・ムニョス・サンス氏は、当初上司に対して「トップに何もないデザイン」をプレゼンしましたが、上司はこれを却下。

そこでサンス氏は、この素材である鉄に関わるデザインを施すことを思いつき、ポールのトップにその産地や工場のある街を刻んだとのことです。

Credit: forjasestilo

こうして、太陽の光にも映えるように作られたポールのデザインはすぐに上司にも認められ、多くのポールが製造されましたが、その後10年間、誰一人としてそのことについて深く考える人はいませんでした。

ムルシアさんの「発見」により思わぬ注目を浴びたこのポールですが、実はそこにはまだ1つだけ謎が残されています。街に多く設置されたそのポールの中で、トップの線が正しく「ポールの完成に関わった街」の方向を示しているものは「たった1つしかない」というのです。

つまり、その「1つ」以外は、トップの線が意図された方向を示すようにポールが設置されていないことになります。単にそこまで考えて埋め込まなかっただけのような気もしますが、ひょっとするとさらに後になって、誰かがその「深い意味」について重い口を開く日が来るのかもしれません。

「愛」を楽譜に込めた男。音楽によって暗号化されたメッセージ

reference: atlasobscura / translated & text by なかしー

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