科学者も予想外の形!? ビックバン直後に「宇宙を満たしていた物質」の作成に成功!

space 2018/12/11
Credit: Javier Orjuela Koop
Point
・原子が存在する前に宇宙は、クォークグルーオンプラズマという熱いスープで満たされていた
・金原子に陽子やヘリウムなど3原子核を衝突させて高温を生み出すことで、クォークグルーオンプラズマを生み出すことに成功
・衝突の条件によって、拡散の形が円形、楕円形、三角形の異なる形を取ることがわかる

かつて宇宙を満たしていた物質による、小さな「しずく」が作られました。

この貴重な物質のしずくは、円形、楕円形、三角形といった形へと変化します。宇宙の始まりの極初期の温度は、原子が形成されるにはまだ熱すぎました。この時期に存在した熱い物体のしずくを、陽子や中性子を衝突させることで作ることができたのです。研究は、理化学研究所などによる国際研究チームによって行われ、12月10日付で『Nature Physics』に掲載されています。

Creation of quark–gluon plasma droplets with three distinct geometries
https://www.nature.com/articles/s41567-018-0360-0

研究が目指したのは、クォークグルーオンプラズマとして知られる、物質の液状状態を作ることです。この物質は、ビッグバン後の数マイクロ秒、まだ原子ができる前に全宇宙を満たしていたと考えられています。

研究者たちは、この物質のしずくを形成できた上に、しずくが拡張して3つの個別の幾何学パターンを形成したことを発見しました。

この物質の研究が始まったのは2000年です。当時、金の原子をぶつけることによって、数兆℃の温度を達成しました。この超高温のスープの中で、陽子や中性子を形作っている素粒子がばらばらになって流れ始めたことから、この新種の物体を作ることが可能であることが分かったのです。

そして今回、この状態をもっと正確に生み出せる技術を開発されました。その方法は、クォークグルーオンプラズマをたった2つの陽子や中性子を金原子に衝突させることで生み出すというもので、以前は不可能と考えられていたものです。実験はブルックヘブン国立研究所にあるRHICという重イオン加速器によって行なわれています。

「私たちの実験の結果から、初期の宇宙に存在した物質が存在しうる最小量がどれくらいかという疑問への答えに一歩近づきました」と、研究にたずさわったコロラド大学のジェイミー・ナグル氏は言います。

この実験を発展させることで、しずく同士を近づけることも可能になり、科学者たちが予想しているものとはかけ離れた形が作られることが分かりました。研究者によると、重陽子(陽子と中性子のペア)の衝突では、短命の楕円形が作られ、ヘリウム3(陽子・陽子・中性子の三つ組)では、三角形が形成されます。一方、単体の陽子との衝突では、円形に広がります。

 

研究者たちは、この新たな発見によって宇宙形成初期の段階についての明瞭な理解が得られると説明しています。クォークグルーオンプラズマが冷えて最初の原子が形成されることで、何が起こるのかを説明する助けとなるでしょう。

 

謎だった「陽子の質量」の正体が判明

 

via: riken.jpIndependent, Daily mail/ translated & text by SENPAI

 

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