・木星を周回する衛星エウロパを覆う氷に原子力で穴を空けながら進み、その下の海に到達する「トンネルボット」の構想が提唱
・氷や、氷と海が接する界面、海水のサンプルを集め、微生物やその化石が存在する可能性を調べる
・エウロパの海にはかつてから生命が存在する可能性が示唆されてきた
NASAの木星探査機「ガリレオ」は、1995〜2003年の間に木星やそれを周回する衛星の観測を行いました。現在知られている木星の衛星79個のうち、2番目に大きい衛星が「エウロパ」です。分厚い氷に覆われた直径3,100キロメートルほどのこの衛星は、ギリシア神話の、ゼウスが恋に落ちたテュロスの王女エウロペーにちなんで、その名がつけられました。
■エウロパの中には生命体が?
探査機ガリレオの観測結果から、エウロパの固い氷層の下には液体の水が存在する可能性があるといわれてきました。また多くの研究者が、その冷たいシャーベット状の海の中に、微生物、もしくはその化石が存在するとも信じてきました。
肝心の問題は、「どうやってそこにたどり着いて、サンプルを採集すればいいのか?」ということです。氷層は2〜30キロメートルと分厚く、簡単に溶かせるようなものではありません。ですが、目的地に到達するには、どうしても突破しなければならないカベです。