みんなの「自己評価」は意外と正確だった

psychology 2018/12/19
Point
・自己報告アンケートによる性格評価は、主観的な先入観があるとされ的確でないと思われていた
・しかし、160の自己報告アンケートを分析した結果、他人からの評価と自分の評価は大部分で合致していた
・正しい自己認識は「社会の中で自分がどのように振る舞うべきか」を正しく判断するための能力として不可欠

自己認識能力の高さは、仕事を能率よくこなしたり、人づき合いを円滑に行うために必要不可欠な能力です。しかし、実際に自分を正確に評価できる人は少なく、大半が楽観的に過大評価するか、あるいは謙虚なまでに過小評価しているといわれています。

ところが今回、私たちは他人からの客観的な評価以上には自分を好意的に評価していないという研究結果が、トロント大学スカボロ校准教授のブライアン・コネリー氏らによって発表されました。

Self–Other Agreement in Personality Reports: A Meta-Analytic Comparison of Self- and Informant-Report Means
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0956797618810000

■「自己報告アンケート」の正確性

コネリー氏とその研究チームは、自己の性格評価において本当に過大評価しているのかどうかを調べました。性格評価に使われたのは「自己報告アンケート」というもので、性格評価方法の中ではもっとも一般的です。

しかし、この方法は長年の間、本人の主観的な先入観によって不正確なものとなっていると疑問視されてきました。

そこでコネリー氏は、過去に独立して行われた160の性格調査アンケートの結果を集めて、それをさらに分析するという大規模な調査を実施。その結果、他人からの客観的な評価と自分の主観的な評価とは大部分で合致しており、自己報告はきわめて正確に行われているということが分かりました。

さらに、「ビッグ5」と呼ばれる性格特性でも、自己報告が正確であるという結果が見られました。

「ビッグ5」とは、知的経験に対してオープンな姿勢を持つ「開放性」、計画性や勤勉性を示す「真面目さ」、興味や関心を外的な対象や他人に対して向けることのできる「外向性」、利己性を抑え集団的に行動できる「協調性」、感情的なバランスを保つ「精神安定性」の5つを指します。

この「ビッグ5」のうち、「開放性」においてわずかの過大評価傾向が見られましたが、コネリー氏によると、それが自己評価の正確性に与える影響はほとんどないと指摘しています。

なぜ、人は自分に対して過大評価をしていなかったのかということについて、コネリー氏は「人には、他人が自分についてどう思っているかを知りたいという強い動機があるからだ」と説明しています。

他人の評価を知るためには、自分に対して客観的な視点を持たなければなりません。そのことが、自己評価の正確性へとつながっているのです。

 

これは、自己認識が人生における成功のための強い因子となっていることを示しています。正しい自己認識は、職場や学校生活などの中でどのように振る舞うべきかを判断するために必要不可欠であり、ほかにもあらゆる社会状況の荒波を巧みにわたり歩いていくための助けとなるのです。

 

人生で最も自己肯定感が高くなるのは60代? 4歳から94歳までの変遷を研究

 

referenced: medicalxpress / written by くらのすけ/ edited by Nazology staff

 

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