太陽系内で最も遠い天体を発見! 第9惑星との関係は…?

space 2018/12/18
Credit: carnegiescience
Point
・日本のスバル望遠鏡の画像から、新しい準惑星「ファーアウト」が見つかる
・直径500kmの球体で、色はピンク、太陽の周りを1000年かけて周るものと思われる
・詳しい軌道はまだ分かっていないが、惑星Xの影響を受けている可能性がある

国際天文学連合の下部組織である小惑星センターは、12月17日、太陽系で最も遠い天体の発見を発表しました。その距離はなんと、地球と太陽の距離の100倍以上というから驚きです。

発見したのはカーネギー研究所のスコット・S・シェパード氏らで、一時的に2018VG18と名付けられています。しかし、その距離があまりにも遠いため、発見チームからは「ファーアウト(Farout:遥か遠く)」と呼ばれているのだとか。その距離は、およそ120AU(1AUは地球と太陽の距離)です。ちなみに2番めに遠い天体は冥王星型天体のエリスで96AU、準惑星として有名な冥王星は現在34AUの距離を回っています。

Credit: carnegiescience / 地球や他天体と、2018VG18との距離の比較

存在感を増す第9惑星の影

現在、存在が噂される惑星Xや第9惑星などの遠方にある太陽系天体は、世界中の天文学者によって調査されています。今回の天体は、そのような未知の天体の探索中に発見されたものです。

惑星Xの存在が最初に示唆されたのは、2014年に「バイデン」と呼ばれる2012 VP113が発見されたときです。

今年の10月には、同じ研究グループが「ゴブリン」こと2015 TG387を発見しています。そして80AU離れたゴブリンも、その軌道が未知のスーパーアース級の大きさである「惑星X」に影響を受けていることがわかりました。

「第9惑星」の存在を示唆する「ゴブリン惑星」を発見 

しかし、今回のファーアウトの軌道が、惑星Xの影響を受けているかどうかはまだわかりません。発見されて間もないために、どのような軌道を回っているのかはまだはっきりしていないのです。軌道が完全にわかるには、あと数年はかかるでしょう。

しかし、ファーアウトの軌道の方向は、他の同種の外縁部天体と同じです。その類似性は、数百AUの距離を周る大きな質量を持つ天体「惑星X」が、それらを導いていると考えられます。

また、ファーアウトの軌道は極めて遠くにあるうえに、スピードが遅く、太陽の周りを1周するのに1000年はかかるとのこと。

Credit: carnegiescience / スバル望遠鏡から送られた、発見のきっかけとなった画像

日本のスバル望遠鏡が活躍

実は今回の発見は、ハワイのマウナケア山にある日本の大型天体望遠鏡スバルによるものです。そして発見後は、確認のためにチリにあるカーネギー天文台のマゼラン望遠鏡でも観測されました。

その観測によって、ファーアウトの軌跡や基本的な物理特性が判明。ファーアウト大きさは直径500kmで、球形の準惑星ということがわかりました。色はピンクで、一般に氷が多い天体が示す色と同じものです。

 

今回の研究が実現したのは、アメリカ、日本、チリと国際間の協力があってこそです。最新の広域デジタルカメラと世界最大級の複数の望遠鏡がなければ、この発見はなかったでしょう。ボイジャーの通過したヘリオポーズよりも、遠方に天体があることが示されたわけですが、今後も更に遠くの天体が見つかる可能性もあります。惑星Xの存在も気になりますし、太陽系の外縁を調査する研究から目が離せませんね。

 

太陽系9番目の惑星の存在を示す新たな証拠がみつかる

 

referenced: Carnegie Science / written by SENPAI / edited by Nazology staff

 

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