アイスランド国民の62%は「エルフ」の存在を信じている

society 2019/01/01

Point
■アイスランド大学の調査によると、アイスランド国民の62%は「エルフ」の存在を信じている
■首都のレイキャビクには、「エルフ・スクール」という学校があり、13種類いるエルフについての講義がある
■アイスランド人が「エルフ」を信じるのは、神話や聖書に反対する「啓蒙思想」の波が遅れてきたことによる

アイスランドでは、民間伝承によって「エルフ」の存在が古くから親しまれており、生活の一部となっています。

2013年には、首都レイキャビクにある「エルフの家」を横断する道路工事に人々が抗議運動をして、最高裁でその訴えが認められたほど、エルフは彼らにとって大切な存在なのです。

アイスランド大学が2007年におこなった調査によると、アイスランド国民のおよそ62%はエルフの存在を信じていることが分かっています。

また、レイキャビクには「エルフ・スクール」という学校があり、13種類のエルフについて学べるカリキュラムや、エルフの民間伝承について話し合う討論会まで開催されています。

「エルフ・スクール」の設営者であるマグナス・スカルプヘイジンソン氏によると、エルフは大変友好的な生き物で、人々が危機に陥ったときは手を差し伸べてくれるのだそう。ふだんは隠れてひっそりと暮らしているため、アイスランドでは「フルドフォルク(huldufólk=「隠れた人」)」という呼び名でも親しまれています。

マグナス氏がおよそ900人のアイスランド人にインタビューをしたところ、なんとその内75名はエルフと出会ったことがあり、また35名は自宅に招いたことがあるのだとか。なぜアイスランド人は、ここまでエルフの存在を信じ切っているのでしょうか?マグナス氏は、ここに「アイスランド」と「啓蒙主義」との関係性を指摘します。

「啓蒙主義」とは、17〜18世紀にかけてヨーロッパで起こった思想運動で、従来の聖書や神学の立場を離れて、自身の理性や知性によって世界を認識しようという思想運動です。この啓蒙運動によって、ヨーロッパの人々は、神の存在や神話から徐々に離れて現実的な思考をするようになりました。

しかし、アイスランドは北海に孤立した島国です。その時点ではまだ、人々はエルフの存在を信じていました。それでも、第二次世界大戦のアメリカ軍侵攻により事態は変化します。彼らとともに、啓蒙思想も同時にアイスランドに流入してきたのです。今では、アイスランドでもエルフを信じる人が減っているとマグナス氏は懸念しています。

それでも、アイスランド人にとってエルフの存在が不可欠だということも事実です。エルフを無下に扱うことで、アイスランドの人々の生活にも直接関わることがあります。

2016年、レイキャビクにある「エルフの岩」が、工事中に誤って埋められてしまいました。するとその後、付近の道路が冠水したり、現場作業員が負傷したりといった不幸が相次いだのです。「エルフの岩」は小さなエルフたちが住んでいるとされています。住民たちの間では、「怒ったエルフたちが人々に仕返しをしたのではないか」と実しやかにささやかれているそうです。

心理療法士のパム・シャファー氏は、「エルフの世界を信じることで、私たちの思考は柔軟性を持ち、視野を広げることもできる」と言います。エルフと実際に交流したことがなくても、心を柔軟に保っておくことで、人生における困難を克服する大きな手助けとなるのです。

ただ、マグナス氏自身はエルフに直接出会ったことがないそうで、これについて同氏は「エルフたちに『あいつはマニアックすぎる』と思われているんじゃないかな…」と冗談めかして答えています。

マグナス氏の深すぎる愛がエルフに届くといいですね。

 

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reference: bbc.com , afpbb/ written by くらのすけ

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