ナナフシ驚きの産卵戦略が判明!卵のデザイン力が強すぎる

animals_plants 2018/12/25
Credit: Frontiers in Ecology and Evolution
Point
■擬態能力を持つナナフシは形態による分類が難しく、分類上の謎が多くあった
■多様な産卵戦略とDNA解析による類似性を使って進化系統図を新たに作り直したところ合理的なものができた
■産卵戦略の多様性の進化は、樹上に隠れたまま卵を地面に落としたり飛ばしたりするところから始まった

並外れた擬態能力で有名なナナフシですが、謎の多い生き物としても知られています。

ナナフシは卵の生み方を幅広く進化させることで、擬態を維持しながら卵の生存率を上げています。例えば、卵を樹上から地面に産み落としたり、葉っぱにねじ込んだり、アリに運ばせて拡散したりといった方法です。

新たな研究では、これらの卵の産み方による分類と、DNA解析を組み合わせることで、最良のナナフシ進化の系統図を作り上げました。研究は「Frontiers in Ecology and Evolution」で特集されています。

Evolution of Oviposition Techniques in Stick and Leaf Insects (Phasmatodea)
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fevo.2018.00216/full

ナナフシはほかの昆虫に比べても分類の難しい生き物です。今までは解剖学的に似た部分を、ほかと比較することで分類されていました。

伝統的なこの分類方法は1950年代から行なわれていましたが、「別の大陸に生息しているなどして関係が遠いと思われる種同士が、なぜ似たような形態上の特性を共有するのか」など、明確にならない部分が多く存在します。

天地が逆転?進化は「卵を落としたり飛ばしたり」から始まった

そこで今回、動植物衛生検査局のジェームス・A・ロバートソン氏と共同研究者らは、産卵行動の種類の広がりとDNA解析を結びつけることで、新たなナナフシの進化系統図を作りました。

それによると、別の場所でも地理的に隔離された種のほうが、見た目の特徴が近い種よりも進化的関連性が高いという結果が出ました。

この新たな進化系統図によると、産卵戦略の進化は樹上から卵を落としたり、飛ばしたりするところから始まったことが示されています。

この結果は、今まで考えられていた産卵戦略の進化理論に反しています。今までは、産卵戦略の進化は、まず地面に住み着くタイプのナナフシが、直接地面に卵を産みつけるところから始まったとされていたのです。

新たな発見によると、ナナフシの祖先は、樹上の葉っぱの影に隠れたまま安全に卵を産卵する戦略をとっていたようです。進化の早い段階で卵の殻が固くなっていたことが、産卵の多様性を生み出す鍵でした。

 

Credit: Frontiers in Ecology and Evolution

卵の殻が固くなることで、樹上から落とされても壊れることがなくなり、水に浮かび、食べられても消化管を消化されずに通り抜けられるようになったのです。それぞれの土地の環境に適応するのはその後だったようです。

地面に降りたり、樹皮に住みついたりといった性質はこの時適応したもので、地面や樹皮の割れ目への直接産卵する方法も後から進化したものだったのです。

また、卵に接着力をもたせたり、隠したり、葉っぱにねじ込んだり、精巧な卵を入れる袋を作ったりといった進化も見られます。

もっとも革新的な例は、卵にエサで満たされたフタがくっつくようになったというものでしょうか。それによって、アリに卵を運ばせ、遠くまで拡散できるようになりました。

 

最近では、ナナフシや仲間のコノハムシは、大きくておとなしく見た目もおもしろいため、ペットとしても人気が高まっています。そのナナフシの卵は種類も豊富で興味深いですが、いろんな機能も持っていたんですね。擬態を見破られないような産卵方法から進化したというのは、いかにもナナフシの個性を反映していますよね。

 

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referenced: Phys.org / written by SENPAI / edited by Nazoloy staff

 

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