地球外惑星に「種」をばらまいて地球に「生殖」させるプランが浮上

geoscience 2018/12/25
Credit: NASA/Bill Anders/「地球の出(アースライズ)」
Point
■地球を大きな「1つの生命体」とみなす「ガイア仮説」といった考えが存在している
■生命体であれば生殖も可能であるはずとのアイデアから、地球外にビオフォア(最小の生物学的単位)をばらまきその「相手」を探すプランが考案される
■地球の中の「細胞」としてはたらく私たち人間が、地球の未来に対して与える影響は大きい

上の写真は「地球の出(アースライズ)」と呼ばれ、1968年にNASAがアポロ8号のミッション中に撮影したものです。そしてその後、様々な環境運動のアイコンとして認知されてきました。

アースライズが提唱したのは、環境運動に関連した「ガイア仮説」。地球を「ガイア」と呼ばれる1つの「超個体(スーパーオーガニズム)」としてとらえようという概念です。その仮説によれば、地球がもつ様々な資産である塩分や酸素、生物の多様性までもが、相互に複雑に絡み合い、地球といった1つの生命体を維持するために適切なコンディションを調えてくれていることが説明されています。

この「地球を生命体とみなす」といった奇抜なアイデアは、長きにわたって多くの批判にさらされてきました。しかし、パデュー大学の進化生物学者Roberto Cazzolla Gatti氏によれば、この太陽系外惑星発見の時代においてそのような批判は妥当性を欠くと考えています。

■地球が1つの「生命体」ならば「生殖」も可能であるはず

彼はガイア仮説に基づく最新の研究により、人間が地球の「細胞」のような働きをしていることを示しています。しかし人間は今や、宇宙船を用いることで、その「生命」の外へと出ていくことが可能です。

つまり彼は、極限環境微生物のようなビオフォア(最小の生物学的単位)を乗せた宇宙船を飛ばし、地球の「相手」を見つけるといったビジョンを描いているのです。

Is Gaia alive? The future of a symbiotic planet

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0016328717304378

この構想では、このビオフォアを乗せたスペース・カプセルを、まるで植物の種が宇宙旅行をするように飛ばし、近くの恒星系にばらまきます。つまり、人間はこうした行動により地球の「仲人」となり得るのです。

これはすなわち、地球の生命は他の星で発生した微生物が地球に到達して生まれたとするパンスペルミア説において語られた方法を、今度は地球発で意図的に実現させようとするものとなります。

Gatti氏は、「もし地球を生殖可能なユニットであると考えるのであれば、宇宙規模で考えたときの選択肢はたくさんあります」と語っています。

Gatti氏はさらに、この「地球に生殖させる」といった目的には時間がかかることも指摘。地球で生命がその発展にかかった時間から判断すれば、拡散されたビオフォアが複雑な構造をもつ生命体へと進化を遂げるには、数百万年、あるいは数十億年の歳月が必要とされるでしょう。

地球はどのみち、数十億年後には太陽に飲み込まれて死に絶えることが予想されています。その間に地球の「細胞」としてはたらく私たちにはどのようなことができるのでしょうか。地球にとって私たちが「生殖細胞」となるのか、それとも「がん細胞」となってしまうのかは、神のみぞ知るところです。

 

地球は「巨大な一つの生命体」。「ガイア仮説」を説明する新理論が発表される

 

referenced: motherboard / written by なかしー / edited by Nazology staff

 

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