若い星の巨大フレアを発見!惑星や生命の材料が生み出される可能性も

space 2018/12/27

Point
■ウォーリック大学による恒星フレアの調査中に、幼い星からの巨大フレアが観測された
■太陽フレアの約1万倍の大きさがあり、さまざまな電磁波を放射することで、原子惑星系円盤に影響を及ぼしている
■また、放射される紫外線が生命の誕生や進化に関係している可能性

ウォーリック大学の天文学者たちが、幼い星が巨大なフレアを発している様子をとらえました。これは、生命の存在する惑星の起源に迫る発見でもあります。

若いMタイプの恒星の中でも最大級であり、そのエネルギーやプラズマの巨大な爆発は、もっとも大きな太陽フレアのなんと約1万倍ほど。研究は、12月1日の「Monthly Notice of the Royal Astronomical Society」で発表されました。

Detection of a giant flare displaying quasi-periodic pulsations from a pre-main-sequence M star by the Next Generation Transit Survey
https://academic.oup.com/mnras/article/482/4/5553/5224549

巨大なフレアが見られたのは、若いMタイプのNGTS J121939.5-355557という名の恒星で、685光年の距離にあります。年齢は200万歳程度であり、まだ前主系列星の段階で主系列星にまで進化が進んでいません。

今回の発見は、数千にものぼる星の巨大フレアを調査していた時にみられたもの。研究に使われたのは次世代トランジットサーベイ(NGTS)テレスコープアレイで、系外惑星の調査などに使われています。

NGTS J121939.5-355557が目を引いたのは、この種類の星の中でも最大級のフレアが観測されたからです。

巨大フレアの発生が生命誕生のきっかけに

フレアが起こるのは、恒星の磁場が再配列される時です。それによって電荷を持った粒子やプラズマが加速され、恒星表面と衝突することで、約1万℃まで加熱されます。

この時のエネルギーで、可視光、赤外線だけでなく、X線やガンマ線も放射され、地上や軌道上の望遠鏡で観察できるのです。

M型恒星の磁場は太陽の磁場よりも強く、このような規模のフレアは3年に1回〜10年に2回程度しかみられない珍しいものだということが分かりました。

今回のフレアは通常の約7倍明るく、その状態が2〜3時間続き、再び元の明るさに戻りました。

この恒星はまだ200万歳と若く、まだ星の生涯のうちたった1%程度が過ぎただけのいわゆる赤子のようなものだそうです。

このフレアで起こったX線は、「コンドルール」と呼ばれる原始惑星系円盤に含まれる粒状物質の形成に影響していると考えられています。

これらは、寄り集まって小惑星を作り、最終的には軌道を回る惑星になるでしょう。

今回の発見は、フレアが原始惑星円盤をかき乱して、惑星形成に影響を及ぼし惑星系の構成に影響する過程の理解を深めてくれました。

恒星が若いうちはまだ惑星は形成途中なので、この段階でのフレアは実際に惑星の形成過程に影響を及ぼすと考えるべきでしょう。

また、フレアは多くの紫外線も放射します。初期の生化学物質の合成は紫外線によるエネルギーで起こったと考えられていますし、DNAはUVによって損傷を受けます。そのため、フレアは生命誕生や進化の鍵となっている可能性があるのです

 

何億〜何十億年とかなり未来のことですが、このNGTS J121939.5-355557系の惑星が誕生し、そのどこかに生命が誕生する。その最初の瞬間に私たちは立ち会えたのかもしれませんね。

 

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referenced: University of Warwick / written by SENPAI / edited by Nazoloy staff

 

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