ポジティブになれる「リフレーミング」は貧しい人ほど効果的であることが判明

psychology 2018/12/27

Point
■つらい出来事を「別の視点」からとらえる心理学的手法「リフレーミング」は、「貧しい人」ほどよく効くことが分かった
■低所得者層は、状況を変化させるための外的資源にアクセスしにくいため、コストのかからないこの手法と相性がいいことが考えられる
■どんな状況にもポジティブな側面を見出そうとする態度は「逃げ」につながるものであり、長期的な視点に立てば推奨されるものではない

心が不安定な時、皆さんは何をして落ち着かせますか?

そんな時、心理学者がよく提唱するテクニックが「リフレーミング」と呼ばれるもの。一言でいえば、ある出来事を「別の視点からとらえる」といったテクニックです。

たとえばあなたが恋人との「つらい別れ」を経験したときに、その出来事を「新たな趣味との出会いのきっかけ」と受け取るように努めるとき、あなたはリフレーミングによってポジティブな自分を取り戻そうとしているのです。

最近広く認知されるようになってきたこの手法ですが、果たして本当に効き目はあるのでしょうか?アメリカのノースウエスタン大学の研究者らが調査を実施しています。

Socioeconomic Status as a Moderator of the Link Between Reappraisal and
Anxiety: Laboratory-Based and Longitudinal Evidence
https://www.apa.org/pubs/journals/releases/emo-emo0000539.pdf

■リフレーミングは「条件付き」で効果的

結果からいえば、確かにリフレーミングには一定の効果がありました。しかし、そこにはある興味深い「条件」があったのです。

研究を進める中で判明したのは、リフレーミングは「貧しい人」にほど効果的であるということでした。逆に言えば、「裕福な人」には効きにくいということでもあります。

調査では、「年収35,000ドル(約390万円)」以上稼ぐ人は、リフレーミングによる恩恵はあまり受けられないという結果が出たのです。

その要因について、研究をおこなったクラウディア・ハーゼ教授は、「貧しい人々は、ストレスフルなシチュエーションを変化させるための外的資源にたどり着きにくいため、自分自身の中に(リフレーミングによって)そのきっかけを見出している可能性がある」と語っています。

■リフレーミングは「逃げ」につながる?

このような方法でストレスから目を背けることで、実際に不安が解消されていくのであれば、リフレーミングには素晴らしい効果があるといえます。

しかし、目の前の課題と闘うことを放棄するこの手法は、ある意味「逃げ」ともいえるものであり、長期的に見れば本質的な問題の解決になっていないといった場合があるのも事実です。

所得の低い人が自分のシチュエーションをポジティブにとらえるクセをつけてしまえば、所得の格差は広がっていく一方となってしまいます。

 

リフレーミングは、大した問題ではなかったり、自分の努力ではどうしようもないことには非常に有効活用できそうです。しかし、リフレーミングに「限界」があることも確か。本当に求められるものは、「現実に直面する努力が必要かどうか」を見極める観察眼なのでしょう。

 

自分の性格は「小さな成功体験」で変えられる

referenced: treehugger / written by なかしー 

 

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