おいしい食事を食べた時、脳は「2度」ドーパミンを得る

brain 2019/01/02

Point
■「幸福」に関わる神経伝達物質ドーパミンは、食べ物を「口」に入れたときと、それが「胃」に達したときの2度放出される
■「食べたい」といった欲求が強いときほど、最初に放出されるドーパミン量が多く、2度目のドーパミン量が少ない
■ 「胃」によってもたらせる2度目のドーパミン分泌が少ないと、満足感を得られず過食につながってしまう

おいしいものを食べているとき、私たちはこの上ない「幸せ」を感じます。その際に脳から放出されるのが神経伝達物質であるドーパミン。この「幸せホルモン」としても知られるドーパミンが、おいしい食事によって脳から「2度」放出されていることが明らかになりました。

Food Intake Recruits Orosensory and Post-ingestive Dopaminergic Circuits to Affect Eating Desire in Humans
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1550413118307435?via%3Dihub

■食べ物は「2度」おいしい

ドイツのマックスプランク研究所が行なったこの研究。そこで明らかにされたドーパミンが放出される2度のタイミングは、1つ目は「口に入れたとき」、そして2つ目は「食べ物が胃に到達したとき」です。

新たに開発されたポジトロン断層法(PET検査)により、ドーパミンが多く放出されるタイミングのみならず、それに関わる脳のエリアを特定することもできるようになりました。そして分析の結果、最初のドーパミン放出が脳の報酬や知覚と関わる領域で起こっていたのに対し、2度目の放出については、そうした領域に加えてより高次な認知機能に関わるエリアも関与していることが分かりました。

■おいしいものは「胃」を幸せにしない?

実験では、12人の健康なボランティアがPET検査で記録をしながら「おいしいミルクセーキ」か「味のない液体」のどちらかを口にしました。その結果、興味深いことに被験者の「ミルクセーキが飲みたい」といった欲望のレベルが高ければ高いほど、はじめに放出されるドーパミンの量が多く、2度目のドーパミンの放出が少ないことが明らかとなりました。

「胃」によってもたらされる2度目のドーパミンが抑制されることは、強く「食べたい」と思ったものを食べ過ぎてしまうといった現象につながってしまいます。人は十分な量のドーパミンが放出されるまで、食べることを止められないのです。つまり、おいしいものをついつい食べ過ぎてしまうのは、2度目のドーパミンが不足しているからなのかもしれません。

「口」ではおいしい食べ物も、「胃」はあまり幸せにしてくれないことが分かったこの研究。研究を率いたHeiko Backes氏は、この仮説にはさらなる研究が必要であるとしていますが、研究が進めば「食べ過ぎ」を防ぐための画期的な方法が編み出される可能性もあります。

脳がなくても「意識」は存在できるのか?

reference: medicalxpress / written by なかしー

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