宇宙は「余剰次元で拡大する泡の上にある」とする新たなモデルが提唱される

space 2019/01/05

Point
■宇宙は「余剰次元で拡大する泡」だとする新理論が発表される
■弦理論とも矛盾なく成立し、ダークエネルギーの謎を解くモデルと期待

スウェーデンのウプサラ大学の研究者らが、私たちが存在する宇宙についての新たなモデルを考案しました。これにより、宇宙の膨張を加速させていると考えられるダークエネルギーの謎が解き明かされるかもしれません。

Emergent de Sitter Cosmology from Decaying Anti–de Sitter Space
https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.121.261301

宇宙は「余剰次元で拡大する泡」の上に存在

「Physical Review Letters」に掲載されたこの研究は、仮説上のエネルギーであるダークエネルギーを含む宇宙を「余剰次元において拡大する泡」の上に存在するものであるとしています。

宇宙は単に膨張しているだけでなく、「加速膨張」し続けているといわれています。宇宙全体に充満したダークエネルギーが、宇宙空間を押し広げているとしか説明できず、その正体に迫ることは基礎物理学において最も重要な課題の一つでした。

その謎を解くものとして、長きにわたって支持されてきたのが「弦理論」です。弦理論においてすべての物質は、小さな振動する「ひも」のようなものから成るとされています。

しかし、弦理論が成立するためには、私たちの世界における常識である3次元を超えた次元である「余剰次元」の存在も必要です。

ダークエネルギーの謎を解くモデルとなるか

過去15年間にわたって、ダークエネルギーの謎への手がかりとして弦理論に基づくモデルが展開されてきましたが、同時に大きな批判にもさらされてきました。中にはそれらのモデルが全く役に立たないものであると断言する研究者もいます。

今回提唱されたのは、それらとは異なる新たなモデルです。このモデルの特徴は、宇宙を「余剰次元において拡大する泡」の上に存在するものであるととらえていること。そのモデルでは、宇宙はその「泡」の端に収まっているというのです。

さらに研究者らは、このような「泡」は弦理論のフレームワークにおいても成立することも示しています。つまり新たな理論においては、私たちが想像するよりも多くの「泡」が、他の宇宙に応じて存在していることが考えられているのです。

 

ウプサラ大学の研究者らによるこの新たな理論は、宇宙の成り立ちやその運命について新たな視点を与えてくれるものです。このモデルが弦理論を証明する方法を見つけ出すための基礎となることも考えられています。

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reference: eurekalert / translated & text by なかしー

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