「悲鳴を聞くと死ぬ」マンドラゴラが15年ぶりの開花! 育成者に伝説の植物になった理由を聞いてみた

animals_plants 2019/01/04

「人の形をしている」「悲鳴を聞くと死んでしまう」「根っこをすり潰すと万能薬になる」など、神話やファンタジーの中で八面六臂の活躍をみせる伝説の植物「マンドラゴラ(別名=マンドレイク)」。

マンドラゴラといえば筆者の中では『女神転生』『ペルソナ』シリーズの“治癒”能力を有する仲魔でおなじみ…なのですが、本当に実在する植物でもあります。しかし、生息地を選び育成が難しいなど、現在でも希少価値が高く、なかなかお目にかかることはありません。

そんなマンドラゴラなど世界中の希少な植物を展示しているのが、兵庫県あわじ市にある農業公園・淡路ファームパーク・イングランドの丘です。

今回はマンドラゴラの本当の姿について、同施設で実際に開花に成功した後藤敦さんにお話をうかがいました。

マンドラゴラは繊細な生き物

そもそもマンドラゴラの栽培はいつから始めたのでしょうか?

後藤さん:当施設では、15年以上前からマンドラゴラの栽培を開始し、昨年初めて開花に成功しました。

 

専門家でも15年以上栽培に時間を費やしたなんて…。さすが伝説の植物です。

Credit : イングランドの丘 同施設で栽培されている実物のマンドラゴラ

素人的イメージとしては、マンドラゴラというとやはりなにやら恐ろしげな想像をしてしまいますが、実際にはどういった植物なのでしょうか?

 

後藤さん:マンドラゴラは地中海性気候の下に自生する植物で、生息範囲は狭いといえます。湿気を好みますが、通常の植物よりもかなり多く陽の光(特に紫外線)を必要とするため栽培は非常に困難。花が咲くこと自体珍しく、3年に1度咲けば良いといったところです。

 

生息にかなり細かい条件が必要な、とても繊細な植物なんですね。

輸入も種でしかできないため、日本で栽培して開花まで…となると相当の労力がいるそうです。

なぜ「恐ろしい」イメージに?

マンドラゴラの希少価値は分かりました。ですが、「恐ろしい」というイメージはどこからきているのでしょうか?

 

後藤さん:マンドラゴラが恐れられる要因の1つとして挙げられるのは、根に含まれる毒性です。いわゆる神経毒といわれる効果で、分量を間違えれば死に至りますが、少量であれば「鎮痛」や「麻酔」として使用できます。

 

人を死に追いやるといわれたり、万能薬といわれたり、真逆な評価をされる理由がこれで分かりました。

では「抜くと悲鳴を上げる」という物騒な伝説は一体どこから…?

 

後藤さん:遠い昔、マンドラゴラの効能を知った人々によって乱獲された時期がありました。一説によるとそれらから守るため、どこかの商人が恐ろしげな噂を流し、乱獲を防いだといいます。

 

マンドラゴラのイメージは人間による乱獲を防ぐためだったんですね。納得です。

噂の大元は、自分の利益を守りたいだけのような気がしなくもないですが、マンドラゴラの種を守ったという点では称賛の声を送りたいところです。

それにしても、なぜ「悲鳴」なのでしょうか。マンドラゴラと悲鳴は中々結びつかないように思えますが…

 

後藤さん:マンドラゴラはナス科の一種なのですが、地面に対して複雑な形で根を張り、引っこ抜くのにはかなり力がいります。その際、「ブチブチッ」と強い音が鳴る。それが悲鳴に聞こえた原因でしょう。

 

なるほど、理にかなっています。こうして人とマンドラゴラ、両方が“利”を得られるような形で伝説は作られていったのですね。

これで、みんな大好きマンドラゴラの恐ろしいイメージがどうやって確立したのか謎が解けました。後藤さん、ありがとうございました!

マンドラゴラ以外にも希少な植物がたくさん

なお、現在イングランドの丘では「マンドラゴラと幻想植物」展を実施中です!

地を這う龍のような形のセロぺギア・ボッセリ、亀にそっくりなディオスコレア・エレファンティペス、うさぎのようなモニラリア・オブコニカなど激レア植物がみられます。

Credit : イングランドの丘 地を這う龍のようなセロぺギア・ボッセリ
Credit : イングランドの丘 陸亀にそっくりなディオスコレア・エレファンティペス
Credit : イングランドの丘 うさぎのようなモニラリア・オブコニカ

去年咲いたマンドラゴラは今年も芽吹き、1月中旬が見頃とのこと。興味がある人はぜひ行ってみてはいかがでしょうか。

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reference : 農業公園・淡路ファームパーク・イングランドの丘 / written & edited by Nazology staff

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