大マゼラン雲が天の川銀河に衝突する可能性!地球への影響は?

space 2019/01/08
Credit: NASA, ESA, S. Beckwith (STScI), and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA)
Point
■天の川銀河の衛星銀河である大マゼラン雲は、次第に遠ざかっているため衝突することはないと考えられていた
■大マゼラン雲の動きをシミュレーションした結果、離れていく速度が落ちて最終的には天の川銀河に落ちてくることが判明
■衝突によって太陽系も影響を受けるが、地球上の生物に影響が及ぶほどではないと考えられる

天の川銀河の衛星銀河である大マゼラン雲(LMC)は、現在次第に遠ざかっているといわれています。

しかし新たな観測結果をもとにしたシミュレーションの結果、LMCは最終的に天の川銀河に落ちて衝突することが判明。そして衝突時には、太陽系が銀河から叩き出されて、宇宙の暗闇に放り出される可能性もあるようです。

研究は「Monthly Notices of the Royal Astronomical Society」で報告されています。

The aftermath of the Great Collision between our Galaxy and the Large Magellanic Cloud
https://academic.oup.com/mnras/article/483/2/2185/5181341

大マゼラン雲が天の川銀河と衝突!?人間はどうなるのか

現時点では、LMCは天の川銀河から16万3000光年離れた場所にあり、秒速400kmのスピードで遠ざかっています。

しかし、ダラム大学の天体物理学者たちが行ったシミュレーションによると、そのスピードはどんどん遅くなり、およそ25億年後には天の川銀河に衝突することが示されました。

個々の星や惑星が衝突するということはあまり起こらないようですが、LMCの質量は太陽の2500億倍。よって、大混乱を引き起こすことは間違いありません。

ダラム大学のカルロス・フレンく氏によると、「銀河は揺さぶられ、太陽系が銀河の外へと放り出される可能性もある」といいます。

ではそのような状況になったら、地球上の生命は一体どうなってしまうのでしょうか?

25億年後に人類がまだ生存していると仮定しても、どうやら私たちの子孫は生き残ることができるそうです。また、太陽系がそのような放出にあう可能性もあまり高いとはいえず、およそ1〜3%。イベントの大きさに比べ、私たちへの影響は少なそうです。

天の川銀河は棒状渦巻銀河ですが、他の同種類の銀河に比べると変わり者です。銀河円盤のハローに含まれる星の数が非常に少なく、また、中心にある超大質量ブラックホールの質量も、同種の銀河に比べて10分の1しかありません。

LMCの衝突が起こると、通常の渦巻銀河のような美しいものとなりそうです。ハローには星があふれ、ブラックホールには大量の燃料が注がれて質量も増します。LMCに含まれるガスをすべてブラックホールが飲み込んだとすると、今の質量の10倍に達します。

多くのガスを飲み込むことで活発になった超大質量ブラックホールは、高エネルギー放射線の強力なジェットを放出するでしょう。その強力なガンマ線は、生物の大量絶滅を引き起こす可能性もあります。しかし研究者は、地球上の生命への驚異になる可能性は低いと考えているようです。

むしろ救世主?LMCはアンドロメダ銀河の衝突を遅らせる可能性

それよりも、天の川銀河にとって本当に驚異なのは、アンドロメダ銀河の衝突です。大マゼラン雲よりも5倍も大きなアンドロメダ銀河は、衝突時に天の川銀河を完全に破壊すると考えられます。この宇宙的大災害は、およそ40億年後に起こると予想されているものです。

しかし、LMCの衝突は、この大災害が起きる時期を先延ばしにするといいます。天の川銀河を少しだけ移動させることで、20億年ほど、アルマゲドンを遅らせることができるそうです。

 

大マゼラン雲は、衝突時には夜空に花火のような素晴らしい光が生み出されますが、大惨事を引き起こすほどの質量を持つわけではありません。それどころか、アンドロメダ銀河による大惨事を遅らせてくれる大恩人だったようです。

驚異の100年超え。天文史上最長の軌道周期を持つ系外惑星が発見される

reference: The Guardian / written by SENPAI

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