哲学かな…? ビックバン前に「鏡像宇宙」が存在し、時間を逆行しているという新説

space 2019/01/30
Credit: L. Boyle/Perimeter Institute for Theoretical Physics
Point
・CPT対称性を保護する目的で作られた新説は、反物質でできた時間逆行性の「鏡像宇宙」の存在を示している
・この説に従うと、質量を持つ無感ニュートリノが多量に現れることになり、暗黒物質を説明できる
・新たな素粒子や場を仮定しなくても宇宙を説明できる説である

ビッグバンは、私たちに馴染みの「この宇宙」を作っただけではないというショッキングな新説が発表されました。もはや何がどうなっているのか。

カナダの3人の物理学者たちによると、ビッグバンは私の宇宙をつくったと同時に、「反宇宙」という時間が後ろ向きに展開する鏡像宇宙を生み出したというのです。さらにこの説は、暗黒物質の存在をも説明できると主張しています。この研究は2018年12月の「Physical Review of Letters」で発表されています。

反宇宙では時間が後ろ向きに流れていた?

この新説は、CPT対称性と呼ばれる物理学の規則を守ることを目的として作られています。CPTとは、チャージ(荷量)、パリティ(偶奇性)、時間のこと。対称性とは、変換に対する基本的な対称性のことです。この対称性が観測によって破れていることがわかっていますが、その理由はいまだに分かっていません。

世界に物質が多く、反物質が少ないのはこの対称性の一つ、CP対称性の破れによります。新説によると、ビッグバン前の反宇宙においては、時間は後ろ向きに流れ、宇宙は物質ではなく反物質でできていたといいます。

この説が魅力的なのは、宇宙が「非常に重い無感ニュートリノ」で満たされていることを意味するところです。つまり暗黒物質の正体を説明できるのです。

研究者自身も認めているところですが、この理論は多くの詳細についてさらに突き詰める必要があります。しかし、共著者であるペリメータ理論物理研究所のニール・テュロック氏は、この理論が、現在まだ確認されていない物質や場を仮定しなくても、現在わかっているものだけで説明できる強力なものであると主張しています。

「新たな現象に対して、新たな粒子や場を発明することで説明したい気持ちというのはあります。しかし、それは間違いだという可能性もあると考えています」

 

反物質でできていて、因果が逆転する世界があるという説は面白いですが、常識では理解を超えています。もしかしたら、反物質でできた世界では、逆に進む時間こそが前進しているということなのかもしれません。私たちが原因だと思っていることが結果で、結果だと思っていることが原因である、因果と物質の逆転した世界が時間を逆上りながらビッグバンの逆方向に続いている。…なるほど、もはや哲学です。

「別の宇宙」のブラックホールの痕跡を発見したという研究

reference: Futurism / written by SENPAI

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