古代エジプト人に与えられた「宿題」の内容が深かった

history_archeology 2019/01/10
Credit: The British Library
Point
■古代エジプトの子どもの「宿題」が2世紀から大英図書館に保存されている
■「書く」練習は教訓的なもので、そこには「モラル教育」を兼ねる狙いがあったと考えられる
■ これを含めた「ライティングの歴史」に迫る展示が大英図書館にて4月から開催を予定している

宿題の内容は「現代」においても通用する

古代エジプト人の子どもの「宿題」が書かれた板が、2世紀の頃から長きにわたって保存されています。そしてそこに書かれた内容は、子育てにはげむ多くの親にとって共感できるものだったようです。

読書タブレット “Kindle” 大のその板に書かれてあった内容は2つ。1つは「賢い人のアドバイスだけを信じなさい」といった内容、もう1つは「友だち全員を信用してはいけない」といったものです。1,500年以上前でも、同じようなことがいわれているんですね。

このタブレットは、溶かして黒くした「ろう」を木の枠に流し込んで作っていたと考えられています。尖った金属によってろうを削ることで、文字をはっきりと浮かび上がらせていたようです。

大英図書館(The British Library)が1892年に保存を開始して以来、1970年代までこのタブレットが公に展示されることはありませんでした。しかし今回、大英図書館が5,000年の人間の「ライティング」の進化を追った展示 “Writing: Making Your Mark” の開催に際してこれを大きく取り上げるようです。

宿題の持ち主は「男の子」?

ギリシャ語によって書かれたそれら2つの教訓は、古代エジプトの初等教育を受けていた子どもがおよそ1,800年前に記したもの。一番上に先生の「お手本」が書かれており、その下に少し乱れた子どもの文字が同じ内容で記されています。

文字を書いた子どもの性別は明らかになっていませんが、当時の裕福な家庭の少年であったことが考えられます。古代エジプトにおいてフォーマルな教育は、基本的に特権階級の男子のみに与えられたものであったからです。そしてその内容から、これが単なる「ライティング」の練習ではなく、そこに「モラル教育」も兼ねていたことがうかがえます。

大英図書館が主催する今回の展示では、この「宿題」に加え、100以上のコレクションが公開される予定です。中には著者ジョイスの注釈付きの長編小説『ユリシーズ』がエジプトのヒエログリフにおいて刻まれた記念碑なども含まれています。また、“Writing: Making Your Mark” は2019年4月26日~8月27日まで開催予定。イギリスに行く機会がある方はぜひ足を運んで、「文字」の歴史を肌で感じてみてください。

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reference: livescience / written by なかしー

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