もし地球が平面だったら?「地球平面説」を科学的に考えてみると…

science_technology 2018/02/28

14世紀にコペルニクスが「地動説」を唱えて以降、今日では多くの人が「地球は丸くて太陽の周りを周っている」と知っています。

しかし未だに「地球は平面で円盤状だ」とする「地球平面説」を信じている人々がいます。
世界には「地球平面説」の普及・啓蒙活動を行う「地球平面協会」という組織や、「地球平面説を信じる」と公言するアトランタ出身のラッパーのB.o.BやNBAのカイリー・アービングなどの有名人がその例でしょう。

しかし、常識は時に打ち破られるものです。今回は説を一笑に付すのではなく、もし本当に地球が平らだとしたら、実際の科学や物理学の原理がどのように働くのか考えてみましょう。

重力がなくなる

まず、真っ平らの惑星は重力がない可能性があります。

コロンビア大学の地球物理学者ジェームス・デービスによると、地球が平らな状態だと、重力がどのように働くのか、あるいは作り出されるのかわからないそうです。重力は地球・宇宙観測によって証明されているので、重力がないとなるとかなり大きな問題となります。

地球球体説では、リンゴが木から落ちる原理と同じように、月が地球の周りを旋回し、すべての惑星が太陽の周りを旋回するとされています。

一方地球平面説を信じる人々は、重力がまっすぐに引っ張る力だと考えていますが、そのように重力が働くことを示唆する証拠はありません。 重力といえば、「中央に向かって引っ張る力」。中心から離れれば離れるほど、中心に向かって引っ張る力が強くなります。よってもし地球が平面だとすれば、世界中の水が地球の中心に吸い込まれ、重力とは反対方向に発達するため、木や植物が斜めに成長するなど奇妙な影響を与えることになるでしょう。

 

太陽の問題

科学的に裏付けられた太陽系モデルの中では、地球は太陽を周回します。それは、地球より太陽の方が大きく重量があり重力も強いからです。しかし地球は太陽の軌道上を移動するため、太陽に衝突することはありません。つまり、太陽の重力は単独では作用していないのです。地球は、他の星の重力にも引っ張られ垂直の方向に旋回しています。もし重力が無ければ、地球はすぐさま太陽系から飛び出してしまうでしょう。その代わりに、線形運動量と太陽の重力が組み合わされ、その結果太陽の周りに円軌道が形成されます。

地球平面説は、地球が宇宙の中心としていますが、太陽が地球を周回するというわけではありません。むしろ、太陽はメリーゴーランドのように世界の上を周り、光を放ち、机のランプのように温かさを与えてくれると説いています。

軌道を生成する直線的な垂直運動力がなければ、太陽と月が衝突することなく空中で停止できる力が何なのかがわからないとデービスは述べます。

同様に、地球平面説では衛星が利用できない可能性があります。衛星はどのように平面を軌道するのでしょうか。
「衛星が必要とされる役目を果たせなくなるでしょう。平面な地球上で、どのようにGPSを機能させられるか思い浮かびません」

 

太陽と月が平らな地球の片側だけを回っているならば、恐らく、昼も夜も旋回しているのでしょう。
しかしながら、これは季節、日食、その他の多くの現象を説明できません。太陽が地球を燃やし尽くしたり月にぶつかっていないことを考えると、太陽は地球よりも小さくなければいけません。しかし、太陽は地球の直径の100倍以上の大きさであることがわかっています。

天と地を取り去る

地下奥深い地球の中心部には、地球が発生させている磁場があります。しかし平面な地球ではこれを別のものに置き換えなくてはならないでしょう。
恐らく平板な液体金属が代わりとなります。しかしこの方法では磁場をつくれません。磁場がなければ、太陽からの荷電粒子が地球を焼け焦がすでしょう。この現象は地球の大気を剥いでしまい、火星が磁場をなくした後に、空気と水が宇宙に出てしまったのと同じようになってしまいます。

地殻運動と地震活動は、丸い地球でなければ起きません。なぜなら、これらの動きは球体が大陸プレートと海洋プレートを機能的に合わせるために行うからだとデービスは示唆します。
地球でのプレートの移動は、他方向に動きます。これは、大西洋中央海嶺のような地殻を作り、沈み込み帯のように破壊された地殻を平衡させます。
一方、平面な地球では、これを適切に説明できていません。それに、世界の端にあるプレートに何が起こるかの説明が必要となります。端に行くと落ちしてしまうことも想像できますが、平面な世界ではそれは恐らく人々が落ちないように壁が取り付けられることでしょう。

恐らく、最も強烈に不可解なことは、地球平面説の地図がまるっきり違うということです。
地図の端には南極の”氷の壁”があり、北極は中央に位置しています。このような世界では、旅行は非常に難しいでしょう。
オーストラリアから南極大陸の特定の地域への飛行は、永遠のように感じるでしょう。その旅をするには、北極と南北両アメリカを飛ばなくてはいけません。さらに、南極大陸を旅することなども、現実的には不可能となります。

地球平面説の衰退

多くの社会で誤った考えとして扱われる地球平面説は、高学歴の人々が実際に信じていた理論です。
「ごく稀な事例を除いて、紀元前3世紀以降の西洋文明の教育を受けた人は、地球が平らであると信じていた」と、1997年に歴史家のジェフリー・バートン・ラッセル(Jeffrey Burton Russell)はこう指摘しています。「地球球体説は、紀元前6世紀初めからピタゴラスにより説かれ、その後、アリストテレス、ユークリッド、アリスタルクスがこの説を信じ観察を続けました」

研究者で作家でもあるステファン・ジェイ・グールドがかつて書いていたように、スペイン人やコロンバスを含む多くの人々が信じていた地球平面説は、19世紀の作家であるワシントン・アーヴィングやジーン・レトロンによってでっち上げられました。「レトロンは、教会の牧師やその信者に地球平面説を信じるように仕向けた賢い反宗教的偏見を持った学者であった」と、ラッセルは言い表しました。

いずれにしても、空想的なシナリオを想像するのは楽しいですが、科学は観察を説明するために、理論的に説いていきます。結局地球平面説は「惑星が平面である」という結論ありきで、他の観察結果を自身の利益のために曲解しているのです。

最後に、デービスはこう予言します。「地球平面説では、辻褄を合わせるための様々な奇妙な解説・説明を見かけると思います。ですが、それらはすぐに矛盾を露呈するでしょう」

 

via: phys.org / text & translated by nazology staff

 

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