ブラックホールや中性子星が誕生する瞬間を初めて観察することに成功

space 2019/01/12
Credit: Raffaella Margutti/ Northwestern University
Point
■ブラックホールや中性子星は、超新星爆発後に残った密度の高いコアである
■調査中に、非常に明るい生まれたばかりの超新星爆発が見つかり、その内部から強いX線放射が確認される
■X線はおそらくブラックホールが周りの物質を貪る過程で放射されたもの

天文学者たちが、ブラックホール、あるいは中性子星が誕生する瞬間を直接観測することに初めて成功しました。今までの観測では、生まれてから相当な年数たった物しか確認されていませんでした。

しかし、今回の発見で、誕生の瞬間を観測し、今後その経過も見ることができるため、ブラックホールや中性子星が形成されて間もない時期がどのようなものであるのか、新たな知見が得られるでしょう。研究はノースウェスタン大学で行なわれ、1月10日の第233回アメリカ天文学会で発表。「Astrophysical hournal」で掲載される予定です。

Birth Of A Black Hole Or Neutron Star Captured For The First Time
http://keckobservatory.org/cow

「The Cow」と名付けられたこの現象は、日常的に行なわれる夜空の調査中に見つかりました。昨年、ハワイのケック天文台で観測していたグループは、爆発による輝きが突然現れ徐々に弱くなる現象を探していたのです。6月の17日に驚くほど明るい光が現れ、2日後にはすでに明るさのピークを迎えるのが観察されました。その明るさは、星の爆発や超新星爆発の平均的なものよりも、10倍から100倍の強いものでした。

Credit: Raffaella Margutti/ Northwestern University

天文学者たちは、はじめ困惑したといいます。ここまで明るい超新星爆発を見たことがなかったからです。詳しい解析によって、この発見が特別なものであることに気づきました。爆発によるコアからの放射は、爆発中に放出されたすべての物質を通過して輝いていて、普段見ることのできない非常に密度の高い物体の存在をあらわにしていました。

星の爆発においては通常、物質による巨大な泡が周りに作られるため、その中に何があるのかを見ることはできません。しかし、今回は爆発の中心からの信号をとらえることができました。

ただし、この中心にある小さな天体がブラックホールであると断定するのは時期尚早で、中性子星である可能性もあります。今後も観測は継続されるようなので、この現象がどちらかは、天体の進化の調査に期待しましょう。

通常の10倍も激しいX線が放射される“The Cow“

ブラックホールや中性子星は、大質量の恒星が燃料を使い果たした後に、重力崩壊を起こして超新星爆発をおこし、外殻が吹き飛ばされた後に残った残骸です。太陽と同じくらいの質量が小さなコアに濃縮されています。通常超新星爆発の残骸が確認されるのは、爆発後何億年も経ってからです。若いブラックホールや中性子星は、外に向かって吹き飛ばされる物質に覆われているために確認することができません。

今回の発見で特徴的だったのは、The Cowから発せられたX線です。通常の10倍もの強さを持つ激しいX線が大量に放射されているのを発見したのです。こういったシグナルは、「hump」と呼ばれていて、普通はブラックホールと関係しています。つまり、超新星爆発の内部にある何かが、ブラックホールのように物質を貪っているのです。

このX線が確認できたのは、爆発によって多くの物質を振り落としていないからだと考えられます。明るさのピークが早くに見られたのもそのせいかもしれません。たった2日後で、ここまで明るくなったという事実は非常に奇妙であり、その原因は視界をさえぎる物質が少ないことで説明できるかもしれません。しかし、物質が少ない原因については、研究者たちにもわかりません。吹き飛ばされた物質がブラックホールや中性子星の重力で引き戻されたのかもしれませんが、憶測にすぎません。

 

研究者たちは、今後数週間から数ヶ月かけて、詳しい観察を続ける予定にしています。詳しい観察によって、生まれたばかりのブラックホールや中性子星に何が起こるのかがわかるでしょう。どのようにして大きさが変わったり、回転するようになったりするのか、判明するかもしれません。今後の進展に注目しましょう。

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reference: The Verge / written by SENPAI

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