花の蜜を吸う蝶の出現が「花よりも前」だったことが判明。いったい蝶は何を吸っていたのか?

animals_plants 2019/01/15

Point
■ドイツ北部で見つかった化石の鱗粉を調べた結果、中空の鱗粉が多く見つかり口吻を持つ蝶がいたことを示していた
■化石の見つかった地層は2億年前のもので、花が登場した1億6千年前よりも古いものだった

蝶や蛾などの「口吻」を持つ生物は、花の登場によって生まれたとかんがられていました。

しかし、最も古い蝶の化石が見つかったことで、口吻を持って花の蜜を吸う蝶が花を咲かせる植物よりも先に出現していたことが分かりました。研究はユトレヒト大学で行なわれ、1月10日付けで「Sciene Advances」上に発表されています。

A Triassic-Jurassic window into the evolution of Lepidoptera
http://advances.sciencemag.org/content/4/1/e1701568

研究者たちは、ドイツ北部の岩から掘り出された化石から、蝶や蛾の翅や体、脚を覆う繊細な鱗粉を強力な顕微鏡で観察しました。蝶と蛾は同じ仲間で、蝶は蛾から進化したものと考えられています。

鱗粉の中には中身が詰まっていて、ヘリンボーン模様(魚の骨状に似た模様)を持った物がありました。中身の詰まった鱗粉を持つ蝶の多くはあごを持つため、この鱗粉を持つ蝶は食べ物を噛む顎を持っていることが示されています。

Credit: Pixabay / ヘリンボーン模様

花を持たない種子植物から水分を摂取していた?

しかし、研究者たちが調べた他の鱗粉はすべて、中身が中空で模様を持っていました。これらは、現存する口吻でエサをとる種類の蝶類と似たものです。つまり、地層で見つかった蝶の化石の多くは、蜜を吸うのと同じ口吻を持っていたと考えられます。

そして同じ地層中の植物プランクトンや花粉から、これら初期の蝶の化石がおよそ2億年前のものであることが分かりました。一方、花を咲かせる種類の植物が地上を埋め尽くしたのは、1億4千万年前から1億6千年前にすぎません。

花の栄養豊富な蜜を吸うことに使われていなかったとするなら、口吻にはどの様な利点があったのでしょうか?研究者によると、口吻によって、蝶たちは熱く乾燥した当時の気候にあった別の植物から水分を取ることで脱水を避けていたのではないかといいます。つまり、花を持たない種子植物の表面でしずくを作る、甘い分泌物(傷ついた葉からの分泌物など)を食べていたのではないかということです。

 

ますます深まる蝶の進化の謎。現生の裸子植物でも、グネツム類などは似たような送受粉の仕組みを持っています。実は花の誕生にも、蝶が重要な鍵を握っていたのかもしれませんね。

「蛾」が「鳥の涙」を吸っているレアな場面がカメラに収められる

【編集注 2019.01.16】
記事内に一部適切でない表現があったため、訂正して再送しております。

reference: Science / written by SENPAI

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