光の基本的な対称性を2つ同時に破る装置を開発

technology 2019/01/15
Credit: CC0 Public Domain
Point
■リング共振器を使って、レーザーバルスを注ぎ込むことで共振させる新しい装置を開発
■リング内では、時間反転対称性が破れると同時に、偏光対称性も破れることがわかる
■より正確な原子時計や量子コンピュータなどへの応用が考えられる

物理学者たちが、「光のパルスが波打って、重なりながら通過するリング」を開発しました。なんと、その中では光に適応される通常の規則が通じないとのこと。研究は1月10日付けで「Physical Review Letters」に発表されています。

Interplay of Polarization and Time-Reversal Symmetry Breaking in Synchronously Pumped Ring Resonators
https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.122.013905

時間反転対称性と偏光対称性を破る

通常の環境では、光はある種の物理的な対称性を示します。1つ目は、光の波が記録されたテープを再生すると考えた時に、順再生と逆再生で全く同じものが再生される、という対称性です。これは、時間反転対称性と呼ばれています。

また、光は波として動きますが、そこには偏光と呼ばれるルールがあります。光がどのように変動するかは、その波の動きと相関しているのです。そして偏光は通常一定に保たれるため、もう一つの対称性を示します。これが2つ目の偏光対称性です。

しかし、このリング状の装置の内部では、光は時間反転対称性と偏光対称性を失います。リングの内部で、光の波は円形に曲がり、共鳴して、外の世界では起こらない効果が生まれます。

研究者たちには知られていたことですが、ある種の環境下では、光がリング共振器内部を跳ね回ることで、時間反転対称性は失われます。リング内では対称性によって予測される点に波頭が現れることが無いのです。しかし、新たな研究では、この非対称性が、自発的な偏光の変化と同時に起こせることが示されました。

研究者たちは、注意深くレーザー光のパルスをリング共振器へと流し込みました。すると、波の波頭は時間反転対称性では不可能な様態へと自然に整列。リングを回るうちに、時間軸の一方向でしか機能しないパターンを形成したのです。同時に光は、持っていた垂直軸の偏光を失いました。波が上下に変動することをやめ、かわりに楕円を描くようになったのです。

 

研究者らは、この研究が、光を操作する新たな方法の可能性を開いたといいます。正確性を必要とする科学者にとって、原子時計や量子コンピュータに適用できる新しい光学装置のヒントとなるようです。また、今までわかっていなかった光の性質についても、新しい発見を科学にもたらすでしょう。

光を「蝶ネクタイ」状にひねるとダークマターが見つかる!?

reference: Live Science / written by SENPAI

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