どうなってるの? 1万倍にも膨張するヌタウナギ「ネバネバ液」の秘密が明らかに

biology 2019/01/27

Point
■ヌタウナギの粘液は瞬時に1万倍にも膨張し、捕食者を窒息させる
■粘液にはきつく巻かれた繊維でできた小さな「スケイン」と呼ばれる塊がたくさん含まれる
■スケインがほぐれることで粘液は膨張するが、そのほぐすための力は水流で十分であることがわかる

ヌタウナギがお腹をすかせたサメに出くわすと、10分の2から3秒というスピードで粘液の塊を放出します。この粘液の塊は、なんと初めの1万倍にも膨張し、敵のサメを窒息させて追い払ってしまうのです。しかしここで「ヌタウナギすごい!」となるのは少し早いかもしれません。この不思議な粘液、どうやらヌタウナギだけの力ではないみたいです。

新たな研究によって、この粘液による防御の過程すべてがヌタウナギの能力によるものではないことがわかりました。これほどすばやく粘液が膨張する理由は、実は海水の動きにある可能性があるのです。研究結果は、「Journal of the Royal Society Interface」で発表されています。

ヌタウナギの粘液は、少量のネバネバときつく巻かれたヒモ状の繊維からできています。このヒモの塊は「スケイン」と呼ばれ、この粘液が水に触れると、2分の1秒以内に、内側にあるスケインが数cmあるヒモへと解きほぐされます。

研究者たちはヌタウナギからスケインを取り出し、ヒモの端っこから引っ張って、解きほぐされる様子を顕微鏡で調べました。スケインを解くのに必要となる力の強さを基にして、異なる状況での解きほぐされる速度を計算したのです。その結果、水の動きだけでスケインが解けることがわかり、その速度もヌタウナギの防御に十分であることがわかりました。

ヌタウナギの粘液がすばやく膨張する仕組みがわかったことで、新たな素材や技術の開発に役立てることができると研究者たちは述べています。

 

ニョロニョロ動いて顎がなく粘液も出すという、グロテスクなヌタウナギ。粘液が厄介なので、漁をする方には嫌われているということですが、その粘液の性質は新素材を作る上で参考となりそうです。また、韓国や国内の一部地域では、ヌタウナギを焼いて食べる所もあるようですよ。

 

reference: Science / written by SENPAI

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