恋人への「怒りのサイクル」を見える化して関係改善をはかる研究

life 2019/01/24

Point
■コペンハーゲン大学の研究によると、恋愛関係における「怒り」のサイクルは永続化する危険性がある
■「怒り」は「攻撃性」と結びついているため、パートナーが対象となってしまい、それがパートナーの怒りへと伝染してしまう
■「怒り」を抑えるには、「リフレーミング」によって相手の攻撃的な振る舞いをポジティブに捉え直してみること

カップルの破局原因として多数を占めているのは、「性格の不一致」や「価値観の違い」。そして、すれ違いの側には、多かれ少なかれ「怒り」の感情が伴っています。

相手の言動を理解できない苛立ちは、取り返しのつかない「怒り」へと悪化し、最終的にお互いの関係は崩壊してしまうのです。さらに、コペンハーゲン大学のJie Liu氏によると「自分の怒りは相手へと伝染し、永続的な悪循環を引き起こす」と指摘。研究の詳細は「ScienceDirect」上に掲載されています。

Mutual cyclical anger in romantic relationships: Moderation by agreeableness and commitment
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0092656618300850#!

Liu氏は、恋愛関係において永続化してしまう「怒り」のサイクルの仕組みをモデル化しました。それが下図です。

Credit:psychologytoday 「怒り」の循環モデル。〈Aさんの「怒り」の感情〉→経路A→〈Aさんの攻撃的振る舞い〉→経路B→〈Aさんの振る舞いを見たBさん〉→経路C→〈Bさんの「怒り」の感情〉→経路A→〈Bさんの攻撃的振る舞い〉→経路B→〈Bさんの振る舞いを見たAさん〉→経路C→はじめに戻る

まず、Aさんが抱く「怒り」の感情は、その正当さに関わらず、冷淡だったり、自分勝手だったりする行動の引き金となるでしょう。そして、この攻撃的な振る舞いに接するパートナーのBさんは、意識的でなくとも苛立ちを覚えてしまいます。この「怒り」の伝染が、悪循環の始まりです。

今度は、Bさんが「怒り」のせいで攻撃的な行動を取ってしまうのです。あとはこのA→B→Cの経路が繰り返されていきます。そして重要なのは、サイクルの中を行き交う「怒り」は循環するごとに、悪化していくということ。つまり、お互いの「怒り」に早期の対処ができないままだと、それだけ関係性の崩壊も早く訪れてしまいます。

「協調性」は激しい喧嘩の仲裁には効果なし?

この「怒り」の循環モデルは、実際のカップルを対象とした調査でも実証されています。参加したのは、アメリカ在住のカップル96組。すべて異性同士のカップルで、そのうち8割が交際状態、2割が既婚、平均年齢は23歳となっています。

参加者には、1週間にわたり、「自己の怒りの感情」や「攻撃的振る舞い」、「パートナーの攻撃的振る舞い」がどれほどであったかを評価づけしてもらいました。さらに、参加者の性格特性(とくに「協調性」)に関するスコアも同時に調査。これは、喧嘩した際に、思いやりや同情を示す性格がどれほど有効に働いたかを調べるためのものです。

すると、喧嘩が頻繁に起こるカップルには、「怒り」モデルにおけるサイクルの特徴が見事に当てはまったのです。また、喧嘩の仲裁に「協調性」はほとんど効果がなく、パートナーの「怒り」のレベルが低いときにのみ有効であることが分かりました。

サイクルを断ち切るにはリフレーミングを

Liu氏は、悪循環を止める方法として「リフレーミング」を推奨。攻撃的な振る舞いを見せるパートナーの行動をそのままネガティブに受け取るのではなく、前向きな視点で捉えることです。

例えば、相手が怒りにまかせて皿を床に叩き落とした際、一度怒りをグッとこらえて「これで部屋の掃除ができる」などと自分の中で唱えてみるのです。そうすれば、あなた自身の内に起こる次なる「怒り」をいったん鎮火することができます。

次に、お互いのすれ違いにおいて解決すべき課題を冷静に考えます。紙に書き出して見せ合ってももいいでしょう。本格的に別れを考えるかどうかは、まずは怒りのサイクルを断ち切ってから考えることが大切です。

 

喧嘩しても、元々はお互い「好意」で始まったのですから、気持ちを落ち着け相手の良いところを思い出してみることが大切。そうすれば、二人の関係性は平和なサイクルへと自然に変わっていくでしょう。

ポジティブになれる「リフレーミング」は貧しい人ほど効果的であることが判明

reference: psychologytoday / written & text by くらのすけ

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