土星の環ができたのは意外と「最近」だと判明。しかももうすぐ消えちゃうらしい…

space 2019/01/19
Photo credit: Kevin M. Gill on Visual hunt / CC BY
Point
■土星の環が誕生したのは、1千万年〜1億年ほど前と意外と最近であることが判明
■環の質量が小さいことから、環が比較的若いことが明らかになった
■環の明るい白色は、数十億年以上前の彗星爆発による汚染の影響を受けるほど古くからは、輪が存在していなかったことを示す

土星と言えば美しいリングが有名ですが、このトレードマークが意外にも最近できたものであることが明らかになりました。

NASAとESAが開発した土星探査機カッシーニによる調査に基づいた最新の報告によると、土星の環が誕生したのはここ1千万年〜1億年ほど前とのこと。天文クラスタ以外には「全然最近じゃない!」とツッコまれる案件ですが、土星が生まれたのが約45億年前であることを考えれば、確かに最近なのです。報告は、雑誌「Science」に掲載されました。

Measurement and implications of Saturn’s gravity field and ring mass
http://science.sciencemag.org/content/early/2019/01/16/science.aat2965

2017年に土星の大気圏に突入しその役目を終えるまで、カッシーニは約13年間土星の近辺の軌道を周回。ミッションの最終段階では、土星と環の間を人類の探査機として初めて通過するという大業を成し遂げました。これにより、環の質量の測定が行われました。

その結果、環の質量は、土星の第1衛星である「ミマス」の約4割に過ぎないことが判明。月よりも小さいことが分かりました。

質量の小ささは、環が比較的若いことを示唆しています。環を構成しているのは、極めて純度の高い水でできた氷。環が示す明るい白色は、数十億年以上前に発生したと推測されている彗星爆発による汚染の影響を受けるほど、環が遠い昔には存在していなかったことの証しです。

白い氷の下には彗星爆発により生まれた汚染物質が含まれている可能性も指摘されてきましたが、今回の研究でそうではないことが判明しました。環のほとんどは純粋な氷だと判明したのです。

研究に携わった一人であるコーネル大学のフィリップ・ニコルソン氏の説明によると、環の正体は、彗星やその他の凍った天体が土星と衝突して砕け散った時に生まれた残骸である可能性があるそうです。もしくは、60個以上もあると言われている土星の衛星のうちの一つが、巨大彗星とぶつかった際に生まれたという説も存在します。

 

いずれにせよ、土星を象徴する環が、一時的な現象に過ぎないことは間違いなさそうです。現在、環を構成する氷の分子が土星の重力に引っ張られて地上に落ちることで、環は1億年以内に姿を消すと言われています。偶然にこの時代を生きて、土星の環を目にすることができる私たちはかなりラッキー。「残したい宇宙の風景100選」に選出したい気分です。

土星の環があと1億年足らずで消失することが判明! 原因は「環の雨」

reference: npr / translated & text by まりえってぃ

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