元素の「空欄」にロマンを感じる…。講堂に眠っていた「最古の周期表」を発見

chemistry 2019/01/19
Credit: University of St Andrews

Point
■セントアンドリュース大学の講堂で、古い周期表が見つかる
■1885年に作られたもので、現存するもので最古のものであることがわかる
■当時見つかっていなかった元素の空欄には原子量のみが記されており、化学反応の仕方を元に並べられていた

スコットランドのセントアンドリュース大学の講堂を掃除中に、現存する中で最も古い周期表が発見されました。ロシアの化学者ドミトリー・メンデレーエフが1869年に原子の化学的性質に周期性があることに気づいた1869年から16年たった、1885年に作られたものであることが判明しています。

記載された元素の数は71。原子量のみが書かれたものも

この周期表は教育目的で使われたものですが、現在の周期表とは異なる点もあります。ドイツ語で書かれたこの周期表に記されている元素の数は71しかなく、複数回現れる元素も中にはあります。存在が予言されているのに、まだ見つかっていない元素については、原子量のみが記されています。たとえば、ハフニウムが見つかったのは1923年です。

この周期表は1871年にメンデレーエフが出した改訂版にそっくりです。中には原子量の間違いも見受けられます。しかし基本的にはとても信頼できるものです。ちなみに現在の周期表には118個の元素が記されています。

現代の周期表は、元素の構造的特性が詳しくわかっているため、縦の軸に沿ってきれいに並べられ、グループ化されています。しかし、この古い周期表は酸素や水素との化学反応を元に作られています。ラドンやアルゴンといった希ガスは反応性が無いため、この周期表には含まれていません。

周期表発見から150年。空欄にロマン

この周期表の出どころについてセントアンドリュース大学の追跡したところ、ウィーンの「Verag v Lenoir & Forster」で印刷されたことがわかっています。また、財務記録から1888年に化学の教授トーマス・プーディが購入したこともわかりました。3ゴルトマルクで購入しており、この価格は現在の日本円換算で2450円程度です。

発見以降、この周期表は保存のために修復を受け、現在は大学の特別コレクションの一部です。

2019年は周期表をメンデレーエフが発見してから150年目の節目。国連は今年を国際周期表年に定めています。

周期表はあらゆる科学分野で通用する強力なツールです。元素がこれほど美しく並んだうえ、応用力が半端ないことで最強に見えます。受験生はぜひ4段目まで覚えて使い方をマスターしましょう。また、この最古の周期表はその時代の化学の最前線。当時未知だった元素の空欄にロマンを感じてしまいます。周期表最高!

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reference: The Guardian / written by SENPAI

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