民間伝承じゃなかった? 30mの「巨大波」を研究所で再現したらあの有名画にソックリ!

science_technology 2019/01/23

Point
■世界で初めて観測された「ドラウプナー波」は高さ約26メートルを記録した波で、この現象はその後「巨大波」と名付けられた
■「巨大波」は、2つの波が120度の角度で交差するとき、もっとも大きな威力で発生する
■研究所で再現された「巨大波」は、北斎の『神奈川沖浪裏』と似ており、19世紀初頭に日本で「巨大波」が起きていた可能性もある

1995年1月に北海沖で観測された「ドラウプナー波」は、最大高波84フィート(25.6メートル)を記録したモンスター級の波。その後、この現象は「巨大波(freak wave)」と呼ばれるようになりますが、どういった条件下で起きるのかはこれまで不明でした。

しかし、オックスフォード大学とエディンバラ大学の共同研究によると、「巨大波」は2つの波が交差して発生することが判明。しかも、研究チームが再現した「巨大波」は、葛飾北斎が描いた『神奈川沖浪裏』の高波と驚くほど一致していたのです。北斎は、もしかしたら日本でこの「巨大波」を目撃していたのかもしれません。

研究の詳細は、2018年12月11日に「Journal of Fluid Mechanics」に掲載されました。

研究チームは「巨大波」を再現するため、世界で初めて観測された「ドラウプナー波」をモデルとしました。「巨大波」は何の予兆もなく突然起こるため、海の上では予測不可能で、船の沈没など海難事故の原因ともなっています。

研究員のマーク・マカリスター氏は「巨大波を単なる民間伝承として片付けるのは危険であり、詳細な物理学的分析が必要だった」と説明しています。

再現のために使用されたのは、エディンバラ大学にある「 FloWave Ocean Energy Research facility」という特殊な設備。直径25mの円型プールで、どの方向からも好きな強さで波を起こすことのできる機能が搭載されています。

「ドラウプナー波」を詳細に観察した結果、チームは2つの比較的小さな波を交差させる方法を採用しました。「ハ」の字型に発生した波が、徐々に近づいてバツ字型にクロスしていきます。すると、このクロスした波の交差点で「巨大波」現象が発生したのです。

さらに興味深いことに、一番大きな「巨大波」が再現されたのは、交差角度をおよそ120度に設定した時でした。その威力は凄まじいもので、これが実際の海上で発生すると高さ100フィート(およそ30メートル)は優に越えるほどの衝撃度なのです。

そして研究者たちがもっとも驚いたのは、その形。再現された「巨大波」は、1800年代初頭に葛飾北斎が描いた高波とソックリだったのです。北斎の絵には、三艘の釣り船をひっくり返さんとするほどの巨大波が描かれ、後景には富士山が小さく見えています。すると、「ドラウプナー波」以前に日本で起きた「巨大波」を北斎が目撃した可能性も出てくるわけです。

 

いずれにせよ、今回の研究結果は、「巨大波」がどのような条件で発生するかを理解する一助となっています。今後、世界の海上の波をさらに調査することで、「巨大波」発生の予測にも役立てることが期待されています。

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reference: phys.org , dailymail/ written & text by くらのすけ

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